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人生に役立つ易経 山雷頤

 組織を家族に当て嵌めると、男女が結婚して夫婦となり、家に必要な家具類や生活用品を蓄え養い、家庭を築いていくことなどが該当するだろう。人間に当て嵌めると食事を取らずに栄養失調になっている人や長年学ぶことを怠って頭が空っぽになった人である。栄養失調の人は必要な栄養を蓄え養うことが必要であり、頭が空っぽの人は必要な知識を蓄え養うことが必要である。
 上爻と初爻を調理器具(器)☶☳と見ると、食材が用意されていないフライパンや鍋などを連想する。善い食材を蓄え(用意して)養う(調理する)ことにより美味しい料理が出来上がる。
 また上爻と初爻を身体☶☳とすると、心が真っ白で俗世間に染まっていない幼児と見立てることができる。幼児にどのような教育を蓄え(教え)養う(育む)かによって人間性が決まっていく。善い教えを育めば社会に貢献する善い人間になるが、悪い教えを育めば社会に害悪を及ぼす悪い人間になる。何事も、今必要な物を見極めて蓄え養う山雷頤の時に適切に対処できるかできないかによって、善くも悪くもなるのである。

 以上が山雷頤の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

頤、貞吉。覿頤自求口實。
○頤(い)は、貞(てい)にして吉。頤(い)を覿(み)、自ら口(こう)實(じつ)を求む。
 頤は上下二陽(実)が中に四陰(虚)を含んでいる。上卦艮は止まり下卦震は動く頤(あご)の形をしている。頤は口から栄養を取り身体を養うので、自分の身心(栄養と人德)や民衆(仁德)を養う意味になる。自分の身心や民衆を養うには、正しい道(自分の身には栄養を、自分の心には人德を、民衆に対しては仁德を養うこと)を固く守るが宜しい。
 今、自分は何を養うべきかをよく観察して、先ずは自らを養うために努力するのが頤の時である。以下省略。

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