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冬至の日に易占いを立てる「冬至占(とうじせん)」について その三

 冬至と易経の関係を説明すると、易経の六十四卦の「坤(こん)為(い)地(ち)」と「地(ち)雷(らい)復(ふく)」が冬至の日に該当する。「坤為地」は全て陰の記号でできているから、一年で最も日照時間が短くなることを意味しており、「地雷復」は「坤為地」で全て陰の記号で埋め尽くされた状態から陽の記号が一番下に戻ってくる(これを「一陽来復」と云う)ことを意味している。よって、易経の「地雷復」に該当する冬至の日は「物事が開けていく」ことを意味しており、古代中国では「物事が開けていく」冬至の日を正月としていたと伝えられている。そして「地雷復」には「先王以て至日に關を閉じ、商旅行かず。后方を省みず。」とあり、現代語訳すると「昔の王さまは一陽来復する冬至の日には関所を閉ざして、商人や旅人の足を止め、自らの巡幸も休み、陽気を養い育てる(すなわち、冬至占を立てて来年の運勢を占う)のである」となる。
 以上のことから、易経や易占いを学ぶ人々は冬至の日になると来年の運勢を予測するために慎んで易占いを立てるようになったのである。そして、冬至の日になると早朝に起きて、誰もいない空間を作り、身体を清めて、厳かに占いを立てるのである。
 冬至の日に立てた占いを「冬至占」と云い、これまで説明してきた経緯や意義によって、「冬至占」は神聖な占いであり、的中する確率が高いと言われているのである。

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