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易経 繋辞上伝を読み解く 第三章

第三章
彖者。言乎象者也。爻者。言乎變者也。吉凶者。言乎其失得也。悔吝者。言乎其小疵也。无咎者。善補過也。
彖(たん)とは象(しよう)を言うもの也。爻(こう)とは変を言うもの也。吉凶とはその失得を言う也。悔吝とはその小(しよう)疵(し)を言う也。咎无しとは善く過(あやま)ちを補(おぎな)う也。
○(卦辞・)彖辞・彖伝の(卦)彖とは、六十四卦それぞれの象(八卦の組み合わせで現された一つの卦全体の形)のことを言うのである。爻辞の爻とは、一つの卦の中にある六爻それぞれの時であり、初爻から上爻に至るまで爻辞を読むと爻から爻へと時が変化していくのを現したものを言うのである。
 (卦辞・彖辞、爻辞に)「吉凶」の文字が使われている場合は、その卦辞・彖辞や爻辞が天地人の道に適っているか(道を得ているか)、道に背いているか(道を失っているか)を示しているのである。
 (卦辞・彖辞、爻辞に)「悔吝」の文字が使われている場合は、その卦辞・彖辞や爻辞が「自分が犯した過失を後悔・反省して、改善することによって物事を善い方向に前進させる」こと、すなわち「今の善くない状態を憂いて、善い方向に前進しようと心配する」か、「自分が犯した過失を後悔・反省することを怠って、物事を悪い方向に後退させる」こと、すなわち、「今の善くない状態を放置して怠惰になって、知らず知らずのうちに悪い方向に陥っていく」かを示しているのである。
 (卦辞・彖辞、爻辞に)「咎无し」の文字が使われている場合は、その卦辞・彖辞や爻辞に書いてあることは、本来であれば「咎められる」ことであるが、自分が犯した過ちを反省して改善することによって「咎められる」状態が補(おぎな)われて「咎无し」の状態に持って行くことができることを示しているのである。

是故列貴賤者存乎位。齊小大者存乎卦。辯吉凶者存乎辭。憂悔吝者存乎介。震无咎者存乎悔。是故卦有小大。辭有險易。辭也者。各指其所之。
是の故に貴賤を列(つら)ぬるものは位に存し、小大を斉(ひと)しくするは卦に存し、吉凶を弁ずるものは辞に存し、悔吝を憂うるものは介(かい)に存し、震(うご)きて咎无きものは悔に存す。是の故に卦に小大有り、辞に険(けん)易(い)有り。辞なる者は各々其の之(ゆ)く所を指す。
○以上のようであるから、一つの卦の六爻は社会的地位の貴賤(高低)を現す序列で並んでいる(初爻が最も地位が低く、五爻が最も地位が高い。上爻は地位を超越している)。
 小卦と大卦は陰卦と陽卦のことであり、小卦(陰卦)とは陰爻が主体(中心)となった卦(坤為地や一陰五陽の卦など)であり、大卦(陽卦)とは陽爻が主体(中心)となった卦(乾為天や一陽五陰の卦など)である。
 吉(道を得ている)と凶(道を失っている)を弁別するには、その卦の卦辞・彖辞、爻辞を熟読することで判明する。
 「自分が犯した過失を後悔・反省して、改善することによって物事を善い方向に前進させる(悔)」か、「自分が犯した過失を後悔・反省することを怠って、物事を悪い方向に後退させる(吝)」かを心配する必要があるのは、自分が「吉(道を得ている)」に向かっているのか、「凶(道を失っている)」に向かっているのかを示してくれる道(みち)標(しるべ)(悔は吉に向かい、吝は凶に向かう)だからである。
 その人の行ったことが、本来であれば「咎められる」はずなのに、「咎められない」としたならば、その人が過ちを深く後悔して行いを改善したからである。
 以上のことから、六十四卦には小卦(陰爻が主体・中心となって吉凶悔吝を展開する卦)や大卦(陽爻が主体・中心となって吉凶悔吝を展開する卦)がある。それぞれの卦にかけられている卦辞・彖辞や爻辞には、困難な状況を表している言葉もあるし、平穏な状況を表している言葉もある。卦辞・彖辞や爻辞の言葉は、それぞれの卦爻がどの方向に進んで行くかを示しているのである。

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