初六 ―‥‥ ――‥ (山風蠱) 之卦 二六山天大畜
初六。幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。
○初六。父の蠱(こ)に幹(かん)たり。子(こ)有り、考(ちち)咎(とが)无(な)し。厲(あや)うけれども終(つい)に吉(きつ)。
初六は先代の事業(組織)を引き継ぎ、旧来の弊(へい)害(がい)を刷新しようと決意する。事業(組織)継承者として旧来の弊害を刷新できれば、先代の名誉に傷を付けない。
己の拙(つたな)さを自覚(先代を尊敬)して持(じ)戒(かい)精(しよう)進(じん)すれば、終(つい)には幸運を得るのである。
象曰、幹父之蠱、意承考也。
○象に曰く、父の蠱に幹たりは、意、考に承くる也。
小象伝は次のように言っている。旧来の弊(へい)害(がい)を刷新しようと決意するのは、尊敬する先代の志を継承して、事業(組織)を継続発展させようとしているからである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇父親が立ち上げた事業(志半ばで父親は亡くなる)を、子供が引き継ぎ、その弊害を刷新して事業を軌道に乗せようとする時。父親は大きな事業を立ち上げ、それを軌道に乗せ、子供に継いでもらおうと思った。だが、事業を軌道に乗せる前に亡くなってしまった。時が至らなかった。どうすることもできない。宿命である。事業を引き継いだ子供は、父親の志を実現するため、奮い立たなければならない。子供は父母から身体を授かり、育ててもらった恩を忘れてはならない。父親が大きな事業を立ち上げたのは、子供に引き継いでもらうためだから、子供は父親の志を引き継いで、その志を実現させなければならない。創意工夫して父親の思いを実現させることが、父親への恩返し。引き継いだ事業を力を尽くして手伝ってくれる人を得たら、どんなに困難な事業であっても、父親の志は必ず成就する。
○先輩の失敗を引き受けて、それを改革する時である。
○土台を残して腐敗が進んでいる事業を再生するために、周到に準備を重ねて、父親の事業を救う時である。
以下省略。次の書籍をご覧ください。