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易経(周易)を読み解く 六二(澤雷随 四五上)

九四 ‥―― ‥‥― (澤雷随) 之卦 三水雷屯

九四。隨有獲。貞凶。有孚、在道以明、何咎。
○九四。隨いて獲(う)る有り。貞なるも凶。孚(まこと)有り道に在(あ)り、以(もつ)て明らかなれば何の咎あらん。
 陽剛の九四は天子の側近として陰柔の小人六三を率いて権力を振るう。権勢盛んなので得られないものは何もない。天子(トップ)を凌(しの)ぐ権力を手にしているので、自分は正しいつもりでいても、私利私欲が滲み出て周りに疑われて失脚する。
 九五の天子(トップ)の側近としての役割を全うすべく、至誠の心で随う時の正しい道を歩み、明智で幾(き)微(び)を察して対処すれば、どうして咎められるようなことがあろうか。
象曰、隨有獲、其義凶也。孚有在道、明功也。
○象に曰く、隨いて獲(う)る有りとは、其の義凶なる也。孚有り道に在りとは、明の功也。
 小象伝は次のように言っている。天子(トップ)の側近として、陰柔の小人六三を率いて権力を振るい、得られないものは何もないという状態は、君臣の大義に反する恐れがある。だから、周りに疑われて失脚するのは当然である。
 九五の天子(トップ)の側近としての役割を全うすべく、至誠の心で随う時の正しい道を歩めば、咎められない。陽剛の九四が明智で幾(き)微(び)を察して、國家を安(あん)寧(ねい)に導いたことを衆人が支持するからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇目の前に自分に随う人がいる。そのことを喜ぶ時。その人が自分と同じ意見でも、無闇に信用して、諸事を任せてはならない。およそ人間というのは器量が大きい人もいれば、小さい人もいる。また、性格の良い人もいれば、悪い人もいる。よくよく相手を見て、信用できる人物であるかどうかを判断すべきである。社会的地位が高い人であればあるほど、よく相手の正邪を観察するべきである。見識の高い人に任せれば、功を上げることができる。
○私利私欲に走れば大義を失う。至誠の気持ちを大切にして、道理に従えば、不正の人物を正しい人物に矯正することができる。
○上位の人に随って収穫のある時。調子に乗って上位の人を凌ごうとする危険がある。よくよく慎まなければならない。
○上位の人に随って、利益を得る時である。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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