易占による考察(骨折・入院顛末記)
【骨折から入院に至る顛末記】
六月七日、幼馴染みと凡そ二十年ぶりとなる飲み会を楽しむ。だが、帰りに自転車で転倒して大腿骨を骨折。街中で一寸した騒ぎとなり、駆けつけてくれた幼馴染みとたまたま通りかかった知人に助けられて家に戻ることができた。誠に感謝の念に耐えないと共に二人に大きな迷惑をかけたことを心苦しく感じる。
六月八日から十二日までは、痛みを誤魔化しながら、片付けなければならない仕事を淡々とこなす。痛みが治まらないので、十三日に病院で見てもらう。何と、大腿骨を骨折しており、今すぐ総合病院に入院して手術しなければ、一生歩けなくなると宣告された。これまで一度も入院も手術もしたことなく、これからも絶対にしたくないと思っていたが、それどころではない。覚悟を決めて総合病院に入院した。幸い歩いて通える距離の総合病院だったので色々と助かる。入院手続きを終えると即検査となり、明日(十四日)の午後、手術することが決まった。病室が決まり落ち着いたところで、今日の運勢を振り返りつつ占筮してみた。
・六月十三日金曜日 澤天夬☱☰三爻
出た卦爻は澤天夬☱☰三爻であった。卦辞彖辞は次の通りである。
○夬は王庭に揚ぐ。孚ありて號ぶ。厲き有り。告ぐること邑よりす。戎に即くに利しからず。往く攸有るに利し。
これを十三日に起こった事象に当て嵌めて解釈する。
○夬は王庭に揚ぐ。▼骨折により不摂生な生活が露わになってしまった。
○孚ありて號ぶ。厲き有り。▼真心があっても泣くほど恥ずかしい。今日病院で見てもらわなかったら大変なことになっていたかもしれない
○告ぐること邑よりす。▼まずは家内に対する感謝の言葉を伝えるしかない。
○戎に即くに利しからず。▼入院当日は手術しない方が良い。
○往く攸有るに利し。▼明日以降なら大丈夫である。
以上である。では次に爻辞を見てみよう。
○九三。頄(き)に壯(さかん)なり。凶有り。君子は夬夬たり。獨り行きて雨に遇ひ、濡るるが若くにして慍(いきどお)らるる有れども、咎无し。
これを十三日に当て嵌めて解釈する。
○九三。頄(き)に壯(さかん)なり。凶有り。▼手術と聞いて顔を強ばらせているようでは話にならない。手術するしなかいのだ。しっかりせよ。
○君子は夬夬たり。▼君子のようにおおらかな気持ちで手術を受け容れるがよろしい。
○獨り行きて雨に遇ひ、濡るるが若くにして慍(いきどお)らるる有れども、咎无し。▼断固たる態度で泰然として手術に臨めば、誰からも後ろ指を指されない。問題なく手術は終わるであろう。
以上である。翌日、小心者のわたしが泰然として手術に臨み、手術は無事成功したのである。