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しらす神々 その十三

楽園の完成

「おおくに」の神は、師匠の「うぅ」の神様と一緒に「無名」の社会創りをコツコツと進めていった。島々は「萬物が幸せに暮らせる楽園」に段々近付いて行った。しかし、ある時
突然、「うぅ」の神様は誰にも何も言わずに、天上に帰ってしまった。
「うぅ」の神様が居なくなってからは、「おおくに」の神は段々「無名」の社会創りをすることができなくなっていった。幸せそうだった楽園の人々から、少しずつ笑顔が消えてい
った。文句や不平不満こそ言わないものの、心の底から幸せそうにしている人々はいなくなった。
「おおくに」の神は、師匠の「うぅ」の神様から教わった「自分の存在を消し去り無名に徹すること」ができなくなってしまったのだ。
島の人々は「おおくに」の神がリーダーであることを知っている。だから、「おおくに」の神に逢うと、笑顔で接するし、「有り難う」と感謝する。「おおくに」の神は、まだ「うぅ」の神様の無我の境地に達していないので、感謝されると、ついつい驕り高ぶりの心が芽生えて、それがチラッと態度に現れる。島の人々は段々それに気が付くようになって、笑顔が消えていった。驕り高ぶりの心は、その人が堕落するだけでなく、周りの人を嫌な気持ちにさせるのである。
「おおくに」の神は、理屈では分かっているが、無我の境地を維持することができない。
ふと気が付くと私心や邪心が芽生えてしまう。
無我の境地を維持できない自分に対して失意の日々が続き、「おおくに」の神は「自分一人では無名の社会創りを完成させることはできそうもない。うぅの神様が戻ってきてくれないのなら、どなたか代わりの神様が来てくれないだろうか…」と、「うぅ」の神様がやってきた海辺をボーッと見つめて途方に暮れていた。
その時、目の前に広がっている大海に光がサーッと射し込んで、神々しい光のような神様がやってきた。「あ」の神様である。「あ」の神様は、萬物の命を次々に産み出すために「命の根源的なエネルギー(命の泉)」を無限に蓄えている神様である。以下省略。

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