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易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 17

四十九.抜本的に変革する時     二百二十七頁  澤火革 ☱☲
五十.新体制を構築する時      二百三十一頁  火風鼎 ☲☴
五十一.パニックに陥る時      二百三十五頁  震為雷 ☳☳

四十九澤(たく)火(か)革(かく) ☱ ☲ 兌上離下  抜本的に変革する時 二百二十七頁
 澤火革☱☲は革命の物語である。易経発祥の地である古代中国は殷から周へ、周から秦へ、秦から漢へと、革命に次ぐ革命で、次々と王朝が変わっていった。易経に最初に言葉を掛けた文王は殷王朝の天子である紂王に柔順に従い、諸侯としての分を守り続けた。
 革命は時に中ることが大事である。民衆は革命を好まない。だから、今の政治体制が崩壊寸前となり、弊害が露わにならない段階で、実行してはならない。

五十火(か)風(ふう)鼎(てい) ☲ ☴ 離上巽下  新体制を構築する時 二百三十一頁
 火風鼎☲☴は澤火革☱☲の革命の後、真っ白にリセットされた組織や社会をゼロから創り直していく時である。あらゆる物事をゼロベースで構築していく時と読むこともできる。
 物事をゼロベースで構築しようとしても、過去の経験や実績などが記憶に残っていたり、これまでの価値観や考え方に囚われていては、ゼロベースで構築することはできない。そこで、過去の経験や実績、成功体験などを頭の中から捨て去り、新しい価値観や考え方を受容して、物事を柔軟にかつ自由自在に発想できるようにならなければならない。

五十一震(しん)為(い)雷(らい) ☳ ☳ 震上震下  パニックに陥る時 二百三十五頁
 震為雷☳☳は震☳が重なっている。だから、雷鳴轟き地震も起こる。一旦、収まったかと思っても、再び、雷鳴轟き地震が起こるのである。人々はパニック状態となって慌てふためく時である。震には「騒ぐ、憤怒、懲らす、刑する、罰する、制裁、性急、思慮不足、独断」という性質があるので、次のような混乱(非常事態)が発生しかねない。
○人々が騒ぎに騒いで社会が騒然となる。
○憤怒に憤怒が重なって大勢の人が国会を取り囲み大規模デモが起こり政治が混乱する。
○懲罰を犯して刑務所に入る人が続出して、社会に犯罪が溢れて人々が不安になる。
○思慮不足な人々が物事を独断で決めるようになり、人間関係がギクシャクする。

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