七.敵と戦う時 三十八頁 地水師 ☷☵
八.一つにまとまる時 四十三頁 水地比 ☵☷
九.柔よく剛を制する時 四十八頁 風天小畜 ☴☰
七地水師 ☷ ☵ 坤上坎下 敵と戦う時 三十八頁
組織内部の争い事が起こる天水訟の次には、組織と組織の間で争い事が起こる地水師の時が置かれている。組織内部の争い事は勝った負けたの決着をつけてはならないが、組織と組織が争う時には絶対に勝たなければならない。
地水師は一陽五陰の形である。このような形になっている時は一陽が主人公となる。すなわち地水師の主人公は二爻である。二爻は大将(争う時の現場責任者)である。地水師の時は二爻を大将として戦えば必ず争いに勝てる。二爻を大将にすることができなければ争いに勝つことはできない。
八水(すい)地(ち)比(ひ) ☵ ☷ 坎上坤下 一つにまとめる時 四十三頁
天水訟☰☵(内部の争い)、地水師☷☵(外部との争い)と争いが続くと人々は疲れ切ってしまう。だから、争いを止めて一つにまとまろうとする。一つにまとまるためには優れたリーダーが必要である。
水地比は一陽五陰の卦である。五陰は一陽に従う。一陽が優れているから五陰が従うのである。リーダーは己の損得で動いてはならない。世のため人のために動くのがリーダーの役割である。一陽のリーダーが世のため人のために動くから五陰が従うのだ。
九風(ふう)天(てん)小(しよう)畜(ちく) ☴ ☰ 巽上乾下 柔よく剛を制する時 四十八頁
地水師、水地比と一陽五陰の卦が続いた。風天小畜と次の天澤履は一陰五陽の卦である。一陽五陰の卦は一陽が剛健だから五陰を従える事が出来る。いわば力業で治めるのである。
それに対して一陰五陽の卦は一陰が柔順にして全体を制御する。柔よく剛を制するように、一陰が五陽をやんわりと制御するのがのが一陰五陽の卦である。
風天小畜は柔よく剛を制する典型的な時である。一陰が四爻に位置している。四爻は五爻の側近である。側近がやんわりと全体を制御する時である。