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時の物語(易経短編小説集・近日中に出版予定)51

五十.新体制を構築する時

 人や組織を取り巻く環境が激変した時。激変した環境に適合させるために、今の考え方や体制を抜本的に変革(大変革)した後は新しい体制を構築することが求められる。それが「新体制を構築する時」である。依って立つプラットホームが崩れ去ってしまったのである。これからは新しいプラットホームを構築しなければやっていくことができない。
 これを日本の国に例えれば「米国依存お花畑」のプラットホームから「自尊自立大調和」のプラットホームに転換する必要があるのだ。

 「新体制を構築する時」の主人公は「四十九.抜本的に変革する時」で大躍進した○○党から出馬して国会議員になった「あなた(わたし)」たちである。

 C国に侵略された尖閣諸島を取り戻すための政策の是非を国民に問うた選挙の結果、二百議席を獲得した○○党が第一党となった。衆議院の定数は四六五人なので過半数には達しなかったが○○党と主張が近いKM党(三十五議席)や無所属の保守系議員(三名)と連立を組み二三八名と過半数を超え与党となった。これまで○○党を満身創痍で率いてきた代表は「自分の役割は終えた」と代表を降り、政党創設時から共に歩んできたM議員が代表に就任し総理大臣となった。M総理は日本が主権を取り戻すためには経済の復興が必要だと温めてきたMプランを実現すべく与党内をまとめ国会に法案を提出した。国家主権の根幹に通貨発行権がある。自国の通貨を国家が自由に発行できる権利である。
 今の資本主義社会のルールでは自国の通貨発行は国債の発行という形で行われる。明治維新後の日本が世界の大国の仲間入りできたのも国債を発行して予算を確保し日清・日露戦争を勝ち抜いたからである。ところが戦後の日本はGHQによって公共事業以外は国債を発行してはならないという法律(財政法第四条)を押しつけられて財政出動のために国債を発行することがタブーとされてきた。Mプランは財政法第四条を超越して国の意思で自由に国債を発行できるようにするための政策である。分かりやすく言えば、国家に通貨発行権が認められている以上、税金を徴収しなくても国家運営は可能である。以下省略。

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