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時の物語(易経短編小説集・近日中に出版予定)31

三十.歴史に学ぶ時

 易経の六十四卦(六十四通りの物語)は上(じよう)経(けい)(三十通りの大きな物語)と下(か)経(けい)(三十四通りの小さな物語)に分かれている。「歴史に学ぶ時」は上経最後の物語である。人や組織には歴史がある。歴史は人や組織が試行錯誤を繰り返して辿り着いた営みである。その営みに学ぶところは多い。今行っていることが成功するかしないかを考える時に歴史に学ぶことは極めて有効である。貴方の人生を振り返って学ぶこともあれば、貴方が属する組織の歴史を振り返って学ぶこともある。貴方が属する国家の歴史を振り返って学ぶこともある。貴方や貴方が属する組織が何かに迷っている時、貴方や貴方の属する組織の歴史に学べば、そこに答えが書いてある。それが「歴史に学ぶ時」である。

 「歴史に学ぶ時」の主人公は世界で一番古い国家でありながら亡国の危機にある日本を取り戻すために政治活動をしている「あなた(わたし)」である。

 わたしは日本のことが大好きである。二千六百八十年以上前に家族のような国家(八紘一宇)を創ろうとした神武天皇により始まった国・日本、こんな素晴らしい国家は世界中見渡しても存在しない。それなのに、日本を卑下したり見下したりする日本人が少なくない。何と悲しいことではないか。そんな思いをわたしは常日頃から抱いている。日本の歴史は神武天皇の祖先である伊弉諾尊と伊弉冉尊による国生みと神生みから始まる。国生みは日本列島の誕生、神生みは自然環境の生成のことである。伊弉諾尊は天照大神をお生みになり、天照大神は古来より今に至るまで日本の国を見守ってくださる永遠の神さまである。そのお孫である瓊瓊杵尊さまが天空から日本の国にお降りになり、三代を経て神武天皇が奈良の地において初代天皇に就任された。今(令和六年)から二千六百八十四年前のことである。八紘一宇とは「八(あめの)紘(した)(天下)を掩(おお)って(まとめて)一つの宇(いえ)(家族)としよう」という意味である。戦前の教科書にはこのように日本の国の素晴らしさが書いてあった。ところが大東亜戦争に敗れてGHQに占領されてからは、日本の歴史は歪められてしまったのである。以下省略。

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