サイトアイコン わかりやすい易経・易占講座

易経(周易)を読み解く 五三(火天大有 四五上)

九四 ―‥― ――― (火天大有) 之卦 二六山天大畜

九四。匪其彭。无咎。
○九四。其(そ)の彭(さかん)なるに匪(あら)ず。咎无し。
 剛健で控え目(陽爻陰位)な九四は、大(たい)有(ゆう)盛大な時に中(あた)り六五の天子に寵(ちよう)遇(ぐう)されて、富(ふう)貴(き)と威(い)権(けん)を一身に集めている。柔順(陰爻陽位)な六五を凌(しの)ぐ勢いがありながら、常に謙譲して驕り高ぶることもない。それゆえ、咎められることはない。
象曰、匪其彭、无咎、明辨晢也。
○象に曰く、其(そ)の彭(さかん)なるに匪(あら)ず、咎无しとは、明(めい)辨(べん)晢(あきらか)なる也。
 小象伝は次のように言っている。大(たい)有(ゆう)盛大な時に中(あた)り六五の天子に寵(ちよう)遇(ぐう)されて富(ふう)貴(き)と威(い)権(けん)を一身に集めている九四が、常に謙譲して驕り高ぶることなく、咎められることはないのは、明(めい)智(ち)で幾(き)を見て出処進退を判断するからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇賢明で哲学にも秀でた役人が、君主(王さま)に抜擢任用されて、人徳と人望が自然に醸成され、自ずから権威が具わる時。こういう時は、友人からの贈り物も、世間からは賄賂と疑われることがある。このような小さいことは大して気にしなくてもよい。ただ、一身をかけて国家のために尽くせば天地人に恥じることはない。このことを称賛して「明(めい)弁(べん)晢(あきらか)なるなり。明智で幾(き)を見て出処進退を判断する」と云う。智恵と配慮に優れても、贅沢をしたり複数の女性と付き合ってはならない。慎みの気持ちを忘れなければ、安泰の時である。
○上位者の信任を得て、重大な任務を負い、人格を磨き、権威が滲み出てくる時である。
○よく世間のことを熟知し、人脈も広く、忙しい中にあって、公私混同することなく、巷(ちまた)のずる賢い輩(やから)に騙(だま)されることもなく、世間から疑われることもない。それゆえ「明(めい)弁(べん)晢(あきらか)なるなり。明智で幾(き)を見て出処進退を判断する」と云う。
○他人の言葉を受け入れて事情に通ずる(成就する)時である。
○賄賂のやりとりがある時でもある。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

モバイルバージョンを終了