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易経(周易)を読み解く 五二(火天大有 初二三)

初九 ―‥― ――― (火天大有) 之卦 五十火風鼎

初九。无交害。匪咎。艱則无咎。
○初九。害(がい)に交(まじ)わる无(な)し。咎(とが)あるに匪(あら)ず。艱(なや)めば則(すなわ)ち咎无し。
 初九は富有になることが約束された大有の最下に居て応比なく、富(ふ)有(ゆう)の中に驕(きよう)傲(ごう)怠(たい)惰(だ)の種が潜(ひそ)んでいる上位の人々と疎遠である。
 富有自体は咎められることではないが、富有の中には驕(きよう)傲(ごう)怠(たい)惰(だ)の種が潜んでいる。戦(せん)々(せん)兢(きよう)々(きよう)として驕(きよう)傲(ごう)怠(たい)惰(だ)の種が芽を出さないように自らを慎(つつし)み戒めれば、咎(とが)められるような過失は免(まぬが)れることができる。
象曰、大有初九、无交害也。
○象に曰く、大有の初九は、害(がい)に交(まじ)わる无(な)き也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。富有になることが約束された大有の最下に居る初九は、富有の中に潜んでいる驕(きよう)傲(ごう)怠(たい)惰(だ)の種が芽を出さないように、何事も質素倹約に努めて自らを慎み戒めているのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇君子だが、交際範囲が狭く、人に認知されない。世間に信用されない時である。学生や博士が町中に住居を構えているが、消防士(庶民のたとえだと思う)に窘(たしな)められいる。鶴が掃(は)き溜(だ)めに居て、周りの人からからかわれているようである。だが、そういうことは、小人のやることだと思って気にしないようにして、小人とは距離を置いて被害を受けないようにすべきである。大きな事業を成し遂げる人であっても、誰もがはじめは人から信用されずに小人の妨害を受ける。しかし、徐々に運氣は開けていき、やがては、盛運に至る。今は心を磨くための勉強をすべき時である。昔の人は「やがては大海に至る山の水も、しばらくは木の葉の下をチョロチョロと流れるのである」と歌っている。「陽氣が発する所(前向きなエネルギーがあれば、の例え)は、金の石(価値あるものの例え)を生み出すことができる。どうして成し遂げられないことがあろうか」という言葉もある。以上のようであるから、今は妨害があったとしても、精神が挫けることがなければ、遂には天の助けを得て志を実現する時が来る。
○成(なり)金(きん)のメッキがはげて恥を晒(さら)すことになる。
○お金が有り余っているから不要なものを買いすぎる。
○世間から嫉(ねた)まれ、思ってもいなかった災難に遭遇する。
○今は裕福になったが、昔の苦労を思い出せば、驕り高ぶる心を抑えることができる。富を失うことがない所以(理由)である。
○世間から信用されない時である。
○孤立して意地を張り朋友に謝絶されることがある。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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