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はじめての易経 31.澤山咸

三十一澤山咸 ☱ ☶ 兌上艮下

 互卦 四四天風姤☰☴
 綜卦 三二雷風恆☳☴
 錯卦 四一山澤損☶☱

 澤山咸☱☶から下経(かけい)が始まる。上経(じようけい)が大きな物語として「天地の道」を示したのに対して、下経(かけい)は小さな物語として「人の道」を示している。「人の道」は若い男女の出逢いから始まる。澤山咸は若い男女が出逢って結ばれる時の物語である。
 いくら男がその気になっても女が男を受け容れてくれなければ男女は結ばれない。卦象を見ると、坤☷(女の気持ち)の中で、乾☰(男)の存在がどの程度の地位(・☰・・)を占めているかが分かる。澤山咸の卦象は女の気持ちの中で男の存在が高い地位にあることを示しているのである。
 若い男女が出逢って結ばれるためには、男が「ときめく」以上に女が「ときめく」ことが前提条件になるだろう。若い男が「ときめく」以上に若い女が「ときめく」ためには、若い男はどうすれば良いのか。答えは上卦と下卦の卦象に書いてある。
 上卦兌☱を人間家族に当て嵌めれば少女(若い女)。下卦艮☶は少男(若い男)である。若い男の上に若い女が位置している。若い男が若い女に謙っている形である。若い男女が出逢ってお付き合いを始める時は、男性が女性に色々と気を使ってお付き合いが始まるものである。男性が女性にお付き合いしてほしいと告白する時には、女性の立場に立って、女性のことを色々と慮(おもんぱか)ってから告白する。お付き合いが始まっても、男性は女性のことを慮り、どんな所でデートすればよいのか、どんな所なら喜んでくれるのかと考える。そして、食事はどんな店で何を食べれば喜んでくれるのか、フランス料理かイタリア料理か洋食屋さんか和食かなどと、女性が喜んでくれそうな店や料理を色々と調べて選び、女性に確認する。このような若い男女の関係を上卦と下卦の卦象で見てみると次のようになる。
 若い女性に謙って対応するのは下卦艮☶の若い男性である。艮には「どっしりとして安定感のある篤実な人」という性質がある。男性がどっしりと安定しており篤実であれば女性は安心できる。また艮には「守る、不動、貞固」という性質がある。何かあった時に女性は男性に守ってほしいと思っている。そして、自分のことを生涯好きでいてほしいと思っている。さらに、男性に対して曲がったことはしてほしくない。正しさを固く守ってほしいとも思っている。以上のような男性を女性は求めていると思う。以下省略。

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