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はじめての易経 9.風天小畜

九風(ふう)天(てん)小(しよう)畜(ちく) ☴ ☰ 巽上乾下

 互卦 三八火(か)澤(たく)睽(けい) ☲☱
 綜卦  十天(てん)澤(たく)履(り) ☰☱
 錯卦 十六雷(らい)地(ち)豫(よ) ☳☷

 地水師、水地比と一陽五陰の卦が続いた。風天小畜と次の天澤履は一陰五陽の卦である。一陽五陰の卦は一陽が剛健だから五陰を従える事が出来る。いわば力業で治めるのである。
 それに対して一陰五陽の卦は一陰が柔順にして全体を制御する。柔よく剛を制するように、一陰が五陽をやんわりと制御するのがのが一陰五陽の卦である。
 風天小畜は柔よく剛を制する典型的な時である。一陰が四爻に位置している。四爻は五爻の側近である。側近がやんわりと全体を制御する時である。見た目は五爻が四爻の力を借りて全体を治めているように見えるが、実質は五爻は四爻にやんわりと制御されているのである。四爻はそのことを五爻に覚られてはならない。陰が陽を制御していることを表に出してはならない(満月が太陽に代わってはならない)のである。

 以上が風天小畜の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。(太字を読めば理解できる。)

小畜、亨。密雲不雨、自我西郊。
○小(しよう)畜(ちく)は亨(とお)る。密(みつ)雲(うん)あれど雨ふらず、我(わ)が西(せい)郊(こう)よりす。
 小畜は小(陰・脇役)が大(陽・主役)をやんわりと止める時である。下卦乾が上に進もうとするので上卦巽(そん)が止めようとするが、上卦巽は巽順な性質なので剛健な性質の下卦乾を力で押し止めることはできない。柔順な德で陽のトップ(社長)や父(母)の心を和らげ止め(柔よく剛を制し)てこそ、陰の臣下(部下)や子の志が行われる。
 また、下卦乾天は熱エネルギーを発するので大気(天空)に水蒸気が蓄えられる。水蒸気は天空で密雲となるが、上卦巽の風に遮られて雨は地上に降ってこない。

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