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人生に役立つ易経 水地比

 古事記に当て嵌めれば、伊(い)邪(ざ)那(な)岐(ぎ)の命(みこと)と伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)は国生みと神生みを終えたが、伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)が最後に火の迦(か)具(ぐ)土(つち)の神を生んだときに火傷をして亡くなってしまう。これまで陰の神様としての役割を果たしてきた伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)の後継者として伊(い)邪(ざ)那(な)岐(ぎ)の命(みこと)の鼻から生まれたのが建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)である。陰の神様が女神から男神に替わったので五爻が陽となり、伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)の坤為地☷☷から建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)の水地比☵☷へと進化した(陰が意志を持った)のである。

 以上が水地比の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

比、吉。原筮、元永貞、无咎。不寧方來。後夫凶。
○比(ひ)は吉。原(げん)筮(ぜい)して、元(げん)永(えい)貞(てい)なれば、咎无し。寧(やす)んぜずして方(あまね)く來(きた)る。後(おく)るる夫(ふ)は凶。
 比は親しみ助け合い和合する時。みんな共存共栄できる。親しむべき相手を推(お)し量(はか)ってよく見極め、察知できない事は、占(せん)筮(ぜい)するように人の意見をよく聞くべきである。元(仁・思いやりの心)永(恒・幾久しく継続する力)貞(正・道德的な正しさ)の德を具えていれば過ちは犯さない。
 不安を抱く人々が親しむべき相手のところに集まって来て和合する。ぐずぐず遅れて孤立する(和合できない)人は不幸な結果となる。

彖曰、比吉也。比輔也。下順從也。原筮、元永貞、无咎、以剛中也。不寧方來、上下應也。後夫凶、其道窮也。
○彖に曰く、比は吉也。比は輔(たす)くる也。下(した)順(じゆう)從(じゆん)する也。原筮して元(げん)永(えい)貞(てい)なれば、咎无しとは、剛中なるを以て也。寧(やす)んぜずして方(あまね)く來(きた)るとは、上下應(おう)ずる也。後(おく)るる夫(ふ)は凶とは、其の道窮(きわ)まれば也。
 比はみんな親しみ助け合い和合するから共存共栄する。トップと臣(しん)民(みん)(部下や民衆)が助け合う時である。トップに臣民(部下や民衆)が素直に従い親しみ助け合い和合する。
 親しむべき相手を推(お)し量(はか)ってよく見極め、察知できない事は、占(せん)筮(ぜい)するようによく人の意見を聞き、元(仁・思いやりの心)永(恒・幾久しく継続する力)貞(正・道德的な正しさ)の德を備えていれば過ちは犯さない。トップが剛中備えて私欲なく(元・思いやりの心があり)、健にして息(やす)まず(永・幾久しく継続する力を具え)、正固にして偏らない(貞・道德的に正しい)からである。
 不安を抱く人々が親しむべき相手のところに集まって来て和合する。トップが普(あまね)く親しむ道を施(ほどこ)すからである。ぐずぐず遅れて孤立した(和合できない・あまのじゃくな)人は不幸になる。一人孤立して人々から疎外され、終に困窮するのである。以下省略。

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