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人生に役立つ易経 水雷屯

 古事記に当て嵌めると、水雷屯は水蛭子(ひるこ)である。水蛭子(ひるこ)は乾為天(伊(い)邪(ざ)那(な)岐(ぎ)の命(みこと))と坤為地(伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと))が交わって「地球」を生み、その地球上に日本列島を生み出そうとして、最初に生まれた出来損ない(生まれそうで生まれなかったような存在)である。だから、葦の舟に入れて水(海のことか?)に流されてしまうのである。

 以上が水雷屯の概念である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

屯、元亨。利貞。勿用有攸往。利建侯。
○屯(ちゆん)は元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よろ)し。往(ゆ)く攸(ところ)有るに用(もち)ふる勿(なか)れ、侯(きみ)を建(た)つるに利(よろ)し。
 屯は萬物創世(産みの苦しみ)の時。創世・創業には苦しみが伴う。その苦しみに耐えてこそ、物事が始まり、すらすら成長して行く。正しく天の道を固く守るが宜しい。
 創世・創業の時は艱難辛苦が待ち受けている。妄(みだ)りに動いてはならない。リーダーは泰然と構えて全体を見渡し、将来を切り開いて行く新人や新事業を用いるがよい。

彖曰、屯剛柔始交而難生、動乎険中。大亨貞、雷雨動満盈。天造草昧、宜建侯而不寧。
○彖に曰く、屯は剛柔始めて交(まじ)わりて難(なん)生(しよう)じ、険(けん)中(ちゆう)に動く。大いに亨(とお)りて貞なるは、雷雨の動き満(まん)盈(えい)すればなり。天(てん)造(ぞう)草(そう)昧(まい)、宜しく侯(きみ)を建(た)てるに寧(やす)からず。
 彖伝は次のように言っている。屯の時は、乾(陽剛)と坤(陰柔)が始めて交わり下卦震(長男)を生み、震は上卦坎に塞がれて、萬物創世の生みの苦しみに遭遇する。すなわち困難な状況(坎)の中を進む(震)のである。
 創世・創業には苦しみが伴うものである。その苦しみを乗り越えてこそ、物事が始まり、すらすら成長して行くのだ。正しく天の道を固く守るが宜しい。雷雨(下卦震と上卦坎の性質)の震動が漸次に満ちて(上卦震と下卦坎から成る雷水解の時・上卦坎の水が下卦坎となり慈雨が降ってきて)、やがて萬物が誕生するのである。
 天の時運を見通すことは難しい。リーダーが泰然と構えて全体を見渡し、将来を切り開いて行く新人や新事業を用いても、しばらくは、生みの苦しみが続くであろう。以下省略。

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