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周易詳解(一部抜粋) 山火賁

二十二山火賁 ☶☲ 艮上離下

 互卦 四十雷水解  ☳☵
 綜卦 二一火雷噬嗑 ☲☳
 錯卦 四七澤水困  ☱☵

 山火賁は上卦艮☶の山を、下卦離☲の火が照らして飾り立てている。ライトアップして見栄(みば)えをよくしている時である。一見、立派に見えるが飾り立てているのだから中身は充実していない。中身が充実していないから、大事業は成し遂げられない。
 飾り立てることが悪いのではない。中身が素晴らしくても外見がみすぼらしければ誰にも相手にされない。中身と外見がバランスしている状態が理想である。飾り立てることはほどほどにして、中身に目を向けることの大切さを教えてくれる物語である。
 論語にも「質、文に勝てば則ち野。文質に勝てば則ち史。文質彬彬として、然る後に君子なり。/中身が外見に勝っている人は粗野に見える。外見が中身に勝っている人はスマートに見える。中身と外見がバランスしているのが望ましい。(以下、意訳。もしバランスしていない場合には、中身が外見に勝る方が人間として勝っている。)」とある。
 下卦離☲には「装飾、虚飾」の意味がある。物語の最初は装飾に向かって行く段階なので問題ない。けれども、装飾が過ぎると虚飾となる。虚飾は中身が伴わないので好ましくない。同じ離☲の「明智・明德」の性質を生かして、虚飾に向かおうとしている自分に気付くべきである。以上が前半(下卦離☲)の物語である。
 上卦艮☶には「休止、節、篤実な人」という性質がある。下卦離☲の前半を終え、上卦艮☶の後半に入ったら、装飾することを休止して、ここを節目に質素倹約に心がけ、篤実な人になることを目指すべきである。以上が後半(上卦艮☶)の物語である。
 この前半の物語(装飾、虚飾)を人生の前半(五十歳位まで)に当て嵌め、後半の物語(篤実な人になる)を人生の後半(五十歳位以降)に当て嵌めると味わい深い。以下省略。

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