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六十四卦の概要 地水師 水地比

七地水師 ☷ ☵

 組織内部の争い事が起こる天水訟の次には、組織と組織の間で争い事が起こる地水師の時が置かれている。組織内部の争い事は勝った負けたの決着をつけてはならないが、組織と組織が争う時には絶対に負けてはならない。負ければ大変なことになる。大東亜戦争に敗れたわが国の現状を見れば痛いほどわかる。
 地水師は一陽五陰の形である。このような形になっている時は一陽が主人公となる。すなわち地水師の主人公は二爻である。二爻は大将(争う時の現場責任者)である。地水師の時は二爻を大将として戦えば必ず争いに勝てる。だが、二爻を大将とすることができなければ争いに勝つことはできない。争いに勝つことができなければ、大東亜戦争に敗れた日本のような無残な結末となる。だから、争いには何としても勝たなければならない。勝つためには二爻を大将にするしかない。二爻は下卦坎の主爻である。下卦坎には険難という性質もあるが、坎の主爻の二爻には孚(まこと)がある。孚は真心である。周りの人々を思いやる気持ちである。その気持ちがあるから争い事に勝つことができる。周りの人々を思いやる気持ちがなければ争い事に勝つことはできない。だから、争い事に勝って組織を守るためには何としても二爻を大将として相手と戦うことが求められる。 以下省略

八水地比 ☵ ☷

 天水訟(内部の争い)、地水師(外部との争い)と争いが続くと人々は疲れ切ってしまう。だから争いを止めて一つにまとまろうとする。一つにまとまるためには優れたリーダーが必要である。
 水地比は一陽五陰の卦である。五陰は一陽に従う。一陽が優れているから五陰が従うのである。リーダーたる者、己の損得で動いてはならない。世のため人のために動くのがリーダーである。一陽が世のため人のために動くから五陰が従う。地水師も一陽五陰の卦であったが一陽は二爻に位置していた。二爻は臣下の位だから、五爻に命じられてはじめて動ける。水地比の一陽は五爻である。だから自分の意思でみんなを一つにまとめることができる。
 五爻は一陽だから五陰が自ずと従う。天水訟、地水師という争いの時を乗り越えて、五爻を中心にみんながまとまるのが水地比の時である。五爻は優れたリーダーであり一陽五陰の主だから、余裕綽々で組織を収めることができる。だから組織は安泰となる。けれども、こういう時に逆らう者もいる。みんなが一つになろうとする時に逆らおうとする。五爻は余裕綽々だからそういう者を相手にしない。そういう者は救われない。自業自得である。それが水地比の時の教えである。争いが続いた後はみんなが一つにまとまって仲良くすべきである。人間社会は仲良くするからみんな幸せになれる。仲良くできないことは哀しいことである。 以下省略

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