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四季と易経 その四十九

文月(ふみづき)と葉(は)月(づき)に中る区分

 水無月と文月にまたがる陰陽消長卦と十二支、二十四節氣の順序で整理してみる。

文月(ふみづき)(和風月明)
【新暦七月一日から三十一日】

 7月は、稲の穂が膨らむころで「穂見(ほみ)」月、または、七夕(たなばた)に「文(ふみ)」を交わす月、ということから【ふみづき】に転じたといわれています。(「暮らしのこよみ」)

葉(は)月(づき)(和風月明)
【新暦八月一日から三十一日】

 8月は、草木を枯らす秋の気配があらわれるころ。葉月と呼ぶのは、【葉落ち月】に由来があると考えられています。(「暮らしのこよみ」)

天山遯(易経・陰陽消長卦)

【新暦七月二十二日から八月二十日日ころまで】

 次に易経の「天山遯」の全体像を表す言葉(卦辞・彖辞、彖伝、大象伝)を示す。これらの言葉は【七月二十日日ころから七月二十日日ころまで】に当て嵌まる。

《卦辞・彖辞》
遯、亨。小利貞。
○遯(とん)は亨(とお)る。小は貞(ただ)しきに利(よろ)し。
 遯(とん)は陰(小(しよう)人(じん)・衰運・悪)の勢いがだんだん盛んになって、最早その勢いを抑制することができない時である。陽(盛運・善)の君子は隠(いん)遁(とん)して道を全うするしかない。
 大きな事業に取り組んではならない。小さな事業に取り組む場合は、正しい道(道德)を固く守れば(小人の害悪に影響されなければ)、事をうまく運ぶことができる。

《彖伝》
彖曰、遯亨、遯而亨也。剛當位而應、與時行也。小利貞、浸而長也。遯之時義、大矣哉。
○彖に曰く、遯は亨るとは、遯(のが)れて而(しか)して亨る也。剛、位に當(あた)たりて應(おう)じ、時と與(とも)に行う也。小は貞(ただ)しきに利(よろ)しとは、浸(ようや)くにして長ずれば也。遯の時(じ)義(ぎ)大なる哉(かな)。
 彖伝は次のように言っている。陰(小(しよう)人(じん)・衰運・悪)の勢いがだんだん盛んになっていく遯の時に中り、陽(盛運・善)の君子は隠(いん)遁(とん)して道を全うするしかない。小人が跋(ばつ)扈(こ)する世の中から隠遁して人の道(道德)を全うするのである。
 陽剛九五と陰柔六二は中正にして相応じ、陰(小(しよう)人(じん)・衰運・悪)の害悪から遁(のが)れるべき時は遁れ、遁れるべきでない時は正しい道(道德)を固く守る。
 小さな事業に取り組む場合は、正しい道(道德)を固く守れば(小人の害悪に影響されなければ)、事をうまく運ぶことができる。小人の勢力が漸(ぜん)次(じ)に大きくなるので、大きな事業に取り組んではならない。小人が跋(ばつ)扈(こ)する世の中から隠遁して人の道(道德)を全うするのである。小人が跋(ばつ)扈(こ)する遯の時は、君子にとって大きな意義がある。

《大象伝》
象曰、天下有山遯。君子以遠小人、不惡而嚴。
○象に曰く、天の下に山有るは遯なり。君子以て小人を遠ざけ、惡(にく)まずして嚴(げん)にす。
 大象伝は次のように言っている。乾(天)の下に艮(山)が有るのが遯の形である。下から見ると山の頂上は天のように見えるが、山頂に登ると天は遙(はる)か彼(か)方(なた)に遠ざかる。
 君子はこの(下から見ると山の頂上は天のように見えるが、山頂に登ると天は遙(はる)か彼(か)方(なた)に遠ざかる)形に見習って、小人を悪(にく)まずして自らを律し(人の道=道德を全うし)て、その威厳によって小人を自然と遠ざける(近づけない)のである。

未(ひつじ)(十(じゆう)二(に)支(し))

 陰陽消長卦の「天山遯」に当て嵌まる十二支は「未(ひつじ)」である。
 「あじ」に通じ、万物が香りたち味わい深く成熟した状態を示している。それは同時に、衰退の始まりを意味している。(陰陽五行)
 木の枝葉の繁茂を表す。陰気の反映である。(「干支の智恵」)

大(たい)暑(しよ)(二十四節氣の十二節氣)

【新暦七月二十二日ころから八月六日ころまで】
 「小(しよう)暑(しよ)」の次の二十四節氣は「大(たい)暑(しよ)」である。
 一年で最も暑さの厳しくなる時季。陰陽五行説では、春は木、夏は火、秋は菌、冬は水、そして各季節の間が「土」。つまり年に四回の土用を設けていました。今では土用といえば夏の土用。それだけ乗り越えるのが厳しく、疲れも出やすい時季なのです。(絵で楽しむ)

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