五十 火(か)風(ふう)鼎(てい) ｜・｜ ｜｜・ 更地に未来を築け
五十（五十）で煮炊き「火(か)風(ふう)鼎(てい)」 互卦 四三澤天夬
※変革後の混乱した社会を刷新して、新しい社会制度を築き上げる時である。
鼎(かなえ)（中国古代の食物を煮るのに用いる大きな土器、青銅器、三本の脚で支えている）で食材を煮炊きするように新しい料理（組織や社会制度）を丁寧に作り上げていく。
あなたが賢者の言葉、上位の人の命令に従えば重用される。
あなたの才能と知恵で身を立てて立身出世する時である。
あなたが自立することが求められる時。器量人・度量人が求められる時である。
苦労を経てその後吉運を招き寄せる時である。
三つの足（三人以上の人々）が支え合って力を発揮する時である。
鼎(かなえ)で作った料理（社会制度）を神様にお供えしてから民衆に施す時である。
新しい社会に必要な仕事や役割を定めて適材適所の人事を実施する。
〇（食べ物を煮炊きする）鼎(かなえ)の足がずっしりと立っているように自立した人。腹の据わった器量人・度量人。賢者の言葉に従い、上位の人の命令に従い、重用される。その器量と才能・智恵で身を立て、位を得て、福運を招き寄せる。
○小人（凡庸な人・俗人）と交際してはならない。
○自らを正しく明るい人間に磨き上げ、神仏を尊崇して、お殿様を仰ぎ見る人は、自ずから吉運を招き寄せて発展する時である。 ○物事や制度が改まり、新しい形ができる時。
○物事や人間関係が調和する時。 ○家督相続に関する時。
① 火風鼎初爻 ｜・｜｜｜・ 之卦火天大有 ｜・｜｜｜｜
鼎をひっくり返すように古い秩序を一掃して新しい秩序を整える時。
あなたは鼎をひっくり返して、鼎の中に残っている古い食材（組織や社会秩序）を一掃する。新しい食材（組織や社会秩序）を用意して調理を始める準備をする。
気持ちを一新してトップの方針に従えば吉運を招き寄せる。
〇古い慣習や制度の弊害を取り除き、気持ちを刷新して、新しい指導者の方向に従えば、吉運を招き寄せる。 ○悪しき心を改めて、尊崇すべき人物に従えば、たとえ貴方が小人（凡庸な人物）だとしても、社会の役に立つ時である。
○女性としての喜び（調理して食べてもらえる喜び）が得られる時である。
② 火風鼎二爻 ｜・｜｜｜・ 之卦火山旅 ｜・｜｜・・
あなたは、古い社会秩序に囚われた人々が流れを戻そうとする隙を与えず、新しい社会秩序を打ち立てる役割を担っている。慎重に取り組むべきである。
あなたは上位の人⑤に助けられて、やがて盛運を招き寄せる。
〇心が剛毅で大事業を成し遂げる人物であっても、謹慎すべき時である。
○周りの人々から妬(ねた)まれ、災難に遭遇するが、助けてくれる人が現れて災難を免れる。
③ 火風鼎三爻 ｜・｜｜｜・ 之卦火水未済 ｜・｜・｜・
鼎の中の料理（新秩序）が薪を入れ過ぎ煮立ってしまい食べられない。
あなたは、薪を入れ過ぎて鼎の中の料理（新しい組織や社会秩序）を煮立ってしまった。
煮立った料理は食べられない。②が誂(あつら)えた見事な食材をもう一寸時間をかけてコトコト煮れば美味しい料理ができたのに残念である。自分のやり過ぎるところを反省して行いを慎めば、段々後悔することが少なくなり、やがては幸福を招き寄せる。
〇信義があるが、愚直で世に用いられない。それに腹を立てれば、本来の愚直さを忘れて、叱責される。グッと我慢して慎むべき時である。 ○世渡りが下手なので、功を上げても人に遅れをとる。しかし、正直なので、周りの人から愛されて、最後には幸福を得る。
○もう一寸で美味しい料理となる段階。もう一寸時間をかけて美味しくなるのを待っていれば、終には吉運を得る時である。 ○争う心があれば、事を成し遂げるのが遅れる。
○やり過ぎたり、挫折したりして、積み上げてきた事をひっくり返してしまうような災害を招き寄せる時である。 ○心から自分を正すことができなければ、必ず正義を失う。
④ 火風鼎四爻 ｜・｜｜｜・ 之卦山風蠱 ｜・・｜｜・
あなたは鼎をひっくり返してしまった。中の料理は食べられない。責任は逃れられない。
時間をかけて丁寧に煮炊きして完成した料理（新しい組織や社会秩序）を、鼎の足が折れてひっくり返してしまった。もう食べられない。自分を過信したあなたの責任である。よく反省して改心するべきである。
〇名君の側近という地位（偉い立場）に在りながら傲慢なので賢臣を軽く見る。井の中の蛙(かわず)のように、己を過信して事に対処するので、組織や国の舵取りを誤り、災難を招き寄せる。
○傲慢な自分を反省して、志を改めて心を安定させる。その上で賢臣をよく用いて、共に事に対処すれば、咎なきを得る。 ○小人と親しみ人に迷惑をかける。
○与えられた任務に耐えられない（任務を遂行できない）時である。
⑤ 火風鼎五爻 ｜・｜｜｜・ 之卦天風姤 ｜｜｜｜｜・
あなたは鼎の耳に鉉(つる)を差し込んで持ち運ぶ。民衆の前に美味しい料理を並べて、民衆の話に耳を傾けながら料理を振る舞う。
新しい時代のトップと臣民が料理を囲んで一体となり吉運を招き寄せる。
〇明智を具えて尊い位（君位）に在る。君臣・君民上下一体となり多くの賢臣が補佐する。正しさを固く守れば、益々吉運を招き寄せる。
⑥ 火風鼎上爻 ｜・｜｜｜・ 之卦雷風恒 ・・｜｜｜・
鼎の料理が民衆に行き渡った。新組織と新秩序が確立して幸運を招き寄せる。
変革後の新しい組織と秩序が確立する時である。相談役のあなたは人徳者として広く民衆から慕われ、大きな幸運を招き寄せる。何の問題もない。
〇剛健な性質を具えた温和な人物。大衆から信服され慕わない人はいない。その人德はその国（組織・地域）に止まることなく広く知られるようになり、その名声は未来永劫子孫に伝わる。実に人間の鏡のような人物が統治する時である。