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易経(周易)を読み解く 一(易経とは何か)

Ⅰ 易経(周易)とは何か

 筆者の理解では、易経(周易)は今から四~五千年前に、支那の神話・伝説に登場する伏(ふく)羲(ぎ)(半神半人)が、神から受け取ったメッセージを民に伝えるために編み出した占いの道具である。その道具は森羅万象のエネルギー源である太極の中には、陰と陽が混在しており、万物は陰陽の相互作用によって生まれると云う考え方に基づいている。
 日本の国文学者である平田篤胤は、伏羲の正体は出雲の国作りを行った大国主の神である。その大国主が古代の支那に渡り、伏羲と名乗って易経の基礎(八卦と六十四卦)を創作したと主張している。神(じん)代(だい)文字と云われる日本の古代文字(現在も使っているやまとことばの音を形にして示したヲシテ文字)が陰陽の概念によって出来ている(4頁を参照)ことが、その主張の根底にあると筆者は考えている。
 本田濟著「易」朝日選書には、『今、「易」というのは、「周易」のことである。「周易」の周は周代の周と解せられる。』と書いてある。周とは古代支那の王朝であり、論語で有名な孔子が生まれたのは、周王朝の半ば(今から凡そ二千五百年前)頃である。一般に伝わるところに由れば、周易を完成させたのは孔子である。論語の一節に「我に数年を加え、五十にして以て易を學べば、以て大過無かるべし(述而第七)/数年経てば五十歳になる年頃(四十半ば)に易経を学べば、人生において大きな過ちを犯すことはないであろう」とあるように、孔子は易を学んで天命を覚ったのだと思う。
 すなわち、周易を完成させた孔子の思想を、その後、沢山の賢人(王弼、朱熹など)が代々独自の解釈を加えながら進化させて今日まで伝わっているものを、今、易経(周易)と称しているのだと筆者は理解している。
 易経(周易)の根底には、万物は陰陽の相互作用によって生まれると云う考え方がある。陰陽の相互作用は八卦太極図によって示され、八卦太極図は六十四卦に発展する。森羅万象は六十四通りの物語として説明されている。

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