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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 兌為沢 二

兌 六三 ・|| ・||

六三。來兌。凶。
□六三。来(きた)りて兌(よろこ)ぶ。凶。
 六三は柔弱不中正の佞(ねい)人(じん)。至誠の九二に下って媚(こ)び諂(へつら)い悦(よろこ)び悦ばれる関係を築こうとするが、相手にされない。何をやっても憎まれて禍を招く。
象曰、來兌之凶、位不當也。
□来(きた)りて兌(よろこ)ぶの凶は、位(くらい)当(あた)らざる也。
 何をやっても憎まれ禍(わざわい)を招く。柔弱不中正の佞人だからである。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)卑屈ニシテ人ニ佞シ、僥倖ヲ得ントスルノ象アリ、己レ人ヲ欺キテ利ヲ得ント欲スルガ故ニ、智德晦ミテ、後日ノ害ヲ思ハザル者トス、恰モ藝娼妓ノ輩ノ如シ、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)卑屈な気持ちで、人に媚(こ)び諂(へつら)って、幸せを招き寄せようとする。人を騙(だま)して利益を得ようとするが、己の悪知恵に溺れて先を見誤り、自業自得に陥る芸者のような人物。このような人物は己の利益のために人を利用するので、遂には私利私欲の亡者となって命をも失いかねない。よくよく反省して志を打ち立て人生の目的を「世のため人のため」に転じて災難を回避するべきである。
○人を欺(あざむ)く(人に欺かれる)時である。
○悦びを待っている時である。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の原文の一部。
(占例)明治二十四年、某來リテ、某氏ノ運氣ヲ占ハンコトヲ請フ、乃チ筮シテ、兌ノ第三爻ヲ得タリ、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の現代語訳。
(占例)明治二十四年、ある人(甲)がやって来て、ある人(乙)の運氣を占ってほしいと頼まれたので筮したところ兌の三爻を得た。
 易斷は次のような判断であった。
 兌は沢である。大地の欠けている所(大きな穴)に水が溜まっている。大きな沢は海。海水は蒸発して雨となり万物を生育する。これを人の身体に当て嵌めれば口である。口は飲食する入り口である。飲食するから身体を養うことができる。すなわち、沢も口も兌の性質である。口は、言葉を発する所でもある。善い言葉を発すれば、人々を善に導くことができるが、不善の言葉を発すれば、人々を不善に導くことになる。すなわち、吉凶や善悪は、いずれも口が招き寄せる。
 三爻は陰爻陽位で不中正。暗い知恵(悪知恵)で強引に事を運ぶ人物。人を巧みに煽(おだ)てて(巧言令色)悦ばせる。比する二爻と四爻を巧みに煽(おだ)てて自分の味方に付ける。このことを「来(きた)りて兌(よろこ)ぶ。凶。六三は柔弱不中正の佞(ねい)人(じん)。至誠の九二に下って媚(こ)び諂(へつら)い悦(よろこ)び悦ばれる関係を築こうとするが、相手にされない。何をやっても憎まれて禍を招く。」自分は陰的性格で、下に居る陽的な性格の二爻を巧みに煽(おだ)てて、あるいは陽的な性格の四爻を巧みに煽(おだ)てて、自分の味方に付け、自分のために利用しようとしている。多くの人を巧みに煽(おだ)煽てて自分の味方に付け、やがては自分のために利用しようとしている。
 占いの対象となっている「ある人(乙)」は、元々正しい道を踏み外しやすい性格で悪知恵が働くが、先を見誤って災難を招き寄せる。貴方(占いを依頼した「ある人(甲)」)にとって、「ある人(乙)」が遠方からやって来たら、貴方を巧みに煽(おだ)てて、自分のために利用しようとする(から、警戒しなければならない)と易断した。
(易占の結果は書いてない。)

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