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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 兌為沢 一

五十八 兌為沢 ・|| ・||

兌、亨。利貞。
□兌(だ)は亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よろ)し。
 兌は上も下も、我も人も悦ぶ時。それゆえすらっと通る。邪(よこしま)な気持ちや諂(へつら)う気持ちを捨てて、人の道を守るがよい。
彖曰、兌、説也。剛中而柔外。説以利貞。是以順乎天、而應乎人。説以先民、民忘其勞。説以犯難、民忘其死。説之大、民勸矣哉。
□兌は説(よろこ)ぶ也。剛は中にして柔は外。説(よろこ)びて以て貞(ただ)しきに利(よろ)し。
 是(ここ)を以て天に順(したが)ひて人に応ず。説(よろこ)びて以て民に先だてば、民(たみ)其(その)労(ろう)を忘る。説(よろこ)びて以て難を犯せば、民(たみ)其(その)死を忘る。説(よろこ)びの大なる、民(たみ)勤(つと)む哉(なり)。
 兌は悦(よろこ)び悦ばせる道を説(と)く。心の中は剛(つよ)い真心で貫かれ、外に対しては柔和で従順。
 悦び悦ばせて道を守る。そのようであれば、道理に順って事を成し遂げ、民の要望に適切に対処できる。悦び悦ばせて民を率いるから、民は苦労を厭(いと)わない。
 悦び悦ばせて國(くに)難(なん)に対処するから、民は命をも惜しまない。悦び悦ばせる道の何と偉大なことか。民は自ら悦んで勤めるのである。
象曰、麗澤兌。君子以朋友講習。
□麗(れい)沢(たく)は兌なり。君子以て朋(ほう)友(ゆう)講(こう)習(しゆう)す。
 上下の沢(さわ)が潤(うるお)し合って涸れることがないのが兌の形。
 君子は、同門同志を集めて切(せつ)磋(さ)琢(たく)磨(ま)する。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)寛和正實ニシテ、天然ノ利ヲ説ビ、國家ノ爲メニ公益ヲ圖ルベシ、利ヲ以テ愚民ヲ欺キ、私ノ爲ニ死ヲワスレシムルノ占ト爲スコト勿レ、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)寛大で誠実。天地自然の道に順い、国家のために公益を図るべき時である。自分の利益を優先して、部下(大衆)を欺(あざむ)くことがあってはならない。
○立派な大人が相対して、謙遜して席を譲り合い、椅子が空いている。ふと気が付くと少女が上座に座っているような時である。
○一陰が二陽の上に進んで行き、外に喜びを見出す時である。
○知識に関することで友達と話し合う時である。
○物事が成就しても、柔弱な存在は必ず挫折する。すなわち何かに挫折する。あるいは何かを毀損する(折る・損なう)時である。
○何事も柔和であることが大切な時。または柔和であるべき時。
○何事も親しみ調和することが大切な時。または親しみ調和すべき時。
○何か喜ばしいことがある時。 ○季節に喩えれば秋。
○何かを損ない、何かを傷付ける時。 ○何かが露見する時。
○何かを習い教える時。 ○何かを愛し愛される時。
○饒舌なことが評価されたり批判されたりする時。
○病気を占った場合は、乾が兌の下にあるので治療が難しい。

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