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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 巽為風 二

巽 九三 ||・ ||・

九三。頻巽。吝。
□九三。頻(しき)りに巽(そん)す。吝(りん)。
 謙(へりくだ)る時に処するため、傲慢な性格を偽(いつわ)って巽順を装う。
 巽順を装っては傲(ごう)慢(まん)に戻り、又装っては戻る。実に恥ずかしいことである。
象曰、頻巽之吝、志窮也。
□頻(しき)りに巽(そん)するの吝(りん)は、志(こころざし)窮(きわ)まる也。
 巽順を装っては傲(ごう)慢(まん)に戻り、又装っては戻る。志が壊(こわ)れている。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)其志常ニ躁シク、目的ヲ定メズシテ、妄動スル者トス、又目的アルコトヲ上位ノ人ニ陳述シテ、頻リニ迫ルト雖モ、時機ニ投ゼザルヲ以テ、用ヰラレズ、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)志が定まらない。何をするにも目的がなく妄動する。
○目的を明確に定めて、上位の人に依頼しても、タイミングが悪くて、聞き容れられず、心痛する時である。
○頑固で人の言葉を聞き入れないので、人々から受け容れられない。
そのため、人間関係に苦しみ、困窮する余り、卑屈になる。
○してはならない時に、強行してやろうとするので、事を成し遂げられないだけでなく、困窮して志を喪失する。
○内心では逆らいながら、調子を合わせて媚(こ)び諂(へつら)う。
○強引な人が柔順を装っているが、強引さが滲み出てしまう。
○離別した妻子が後を追って来て困難な事に陥る。
○盗賊(犯罪者・悪者)にアドバイスしても無駄である。
○大騒ぎする人が現れる。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の原文の一部。
(占例)友人某來リテ、運氣ヲ占ハンコトヲ請フ、乃チ筮シテ、巽ノ第三爻ヲ得タリ、
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の現代語訳。
(占例)ある友人がやって来て、運氣を占ってほしいと頼まれたので筮したところ巽の三爻を得た。
 易斷は次のような判断であった。
 巽は風である。風は変化すること窮まりない。これを人間に当て嵌めると、落ち着きがなくて騒がしい性格である。その人の地位が分不相応で適性に欠ける。その上、お金を沢山持っている時は、驕り高ぶって他人を見下し、お金がなくなると落胆して落ち込む。気持ちの浮き沈みが激しくて一定しない。自立できないから、氣力が定まらない。いつも他力本願で、何かに依存している。誰かに服従したり、憐れみを請うたり、これ以上ないほど卑屈で性格がねじ曲がっているので、誰にも相手にされない。以上のことを「頻(しき)りに巽(そん)す。吝(りん)。謙(へりくだ)る時に処するため、傲慢な性格を偽(いつわ)って巽順を装う。巽順を装っては傲(ごう)慢(まん)に戻り、又装っては戻る。実に恥ずかしいことである。」と云う。
「人に依存しても、恥をかくだけで、何事も成就しない。自立することが必要だと自覚して、速やかに志を打ち立てるべきだ」と易断した。
(易占の結果は書いてない。)

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