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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 巽為風 一

五十七 巽為風 ||・ ||・

巽、小亨。利有攸往。利見大人。
□巽(そん)は小(すこ)しく亨(とお)る。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大(たい)人(じん)を見るに利(よろ)し。
 巽は柔順(巽)に人に謙(へりくだ)って従う時、小さな事はすらっと通る。
 柔順に謙って前進するがよい。謙るには、立派な人を選ぶがよい。
彖曰、重巽以申命。剛巽乎中正而志行。柔皆順乎剛。是以小亨、利有攸往、利見大人。
□重(ちよう)巽(そん)にして以て命(めい)を申(かさ)ぬ。剛、中正に巽(したが)ひて志(こころざし)行(おこな)はる。柔、皆剛に順(したが)ふ。是(ここ)を以て小(すこ)しく亨(とお)り、往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)しく、大(たい)人(じん)を見るに利(よろ)し。
 巽(風)が重なり、巽(そん)順(じゆん)にして巽順(柔順)。風のように隅々まで行き渡る。下は上の命令に柔順に従い、上は下の意見をよく聞く。
 上は適切な政策を打ち立て、丁(てい)寧(ねい)に何度も下に伝える。剛健中正の天子が柔順に道に従い、志は爲し遂げられる。それゆえ、小人(陰)は大人(陽)に柔順に従う。小さな事はすらっと通る。柔順に人に謙って前進するがよい。立派な人に謙るがよい。
象曰、隨風巽。君子以申命行事。
□随(ずい)風(ふう)は巽なり。君子以て命(めい)を申(かさ)ね事を行ふ。
 風が吹き続けるのが巽の形。君子は、臣民がよく理解できるように、丁寧に何度も命令を伝えてから実行する。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)疑多キヲ以テ、事ヲ諛ルノ時トス、故ニ英邁果斷ノ人ヲ得テ、事ヲ謀ルヲ宜シトス、又時運ニ投ジテ利ヲ得ルノ象アリ、又家督相續論起ルノ象アリ、愼ムベシ、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)疑いが多くて事を誤る時。英邁で果断な人物を抜擢して(見つけ出して)事業を企画する(事を謀る)が宜しい。
○時運に乗って利益を得る時。
○家督相続に関する問題が起こりやすい時。慎むべきである。
○陰的存在が陽的存在に順いながら、陽的存在を利用する時。
○円滑な交際をしていながら、お互い心の中を探り合っている。進退を決することができない。
○何かに柔順に従う時。 ○何かに(が)入り込む時。
○媚(こ)び諂(へつら)う時。 ○疑惑が多い時。
○進退決する(進退を決断する)ことができない時。
○決断することができない時る。 ○志が定まらない時。
○隠れ伏せる時。 ○商売すれば利益を得られる。
○命令が行き渡る時。 ○巧言令色で薄情である。
○謙って慎み深く言葉を発し、情が厚ければ、事を誤らない時である。
○騒々しい時。
○上卦(上位の者)が命令を発し、下卦(下位の者)が命令を伝える時。
○人からおだてられ、持ち上げられる。
○女性の場合は、品行方正で善き風俗を醸(かも)し出す時。
○物価は、最初は下落してその後上昇(乱高下)する。
○売買行為(商売)が盛んに行われる時。

巽 初六 ||・ ||・

初六。進退。利武人之貞。
□初六。進退す。武(ぶ)人(じん)の貞に利し。
 柔弱不中正で位(くらい)卑(いや)しく巽順に過ぎる。優柔不断で志弱く、進退定まらず迷っている。武人のように剛(つよ)い意志を抱くがよい。
象曰、進退、志疑也。利武人之貞、志治也。
□進退すとは、志(こころざし)疑(うたが)ふ也。武人の貞に利しとは、志治まる也。
 進退定まらずに迷っている。志弱く、疑い惑うからである。武人のように剛(つよ)い意志を抱くがよい。確乎不抜の志を打ち立てるのである。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)恃ムbキ人ナルヲ知ラズ、漫ニ疑懼ヲ懐キテ、其機宜ヲ失ハントスルノ時トス、故ニ斷然意ヲ決シテ、其人ト共ニセバ、事成ルベシ、又卑怯者諂諛者ナリトシテ、・・・

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