サイトアイコン わかりやすい易経・易占講座

抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 風火家人 二

家人 九三 ||・ |・|

九三。家人嗃嗃。悔厲吉。婦子嘻嘻。終吝。
□九三。家(か)人(じん)嗃(かく)嗃(かく)たり。悔い厲(あやう)けれども吉。婦(ふ)子(し)嘻(き)嘻(き)たり。終(つい)に吝(りん)。
 剛毅に過ぎる家(か)長(ちよう)。家人は「ひいひい」苦しむ。
 家長自身、厳し過ぎたと後悔するが、厳しくした方が家は治まる。家長が厳しさを失い、寛大に過ぎると、女子供は一日中笑ったり騒いだりと節度を失い、終には恥をかく。
象曰、家人嗃嗃、未失也。婦子嘻嘻、失家節也。
□家人嗃(かく)嗃(かく)たりとは、未(いま)だ失わざる也。婦(ふ)子(し)嘻(き)嘻(き)たりとは、家(か)節(せつ)を失う也。
 家長が厳しすぎると家人は「ひいひい」苦しむ。家の道を失ったのではない。家長が厳しさを失い寛大に過ぎると、終には節度を失い、家の道に反することになる。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)家道嚴確ニ過ギ、又ハ放縦ニ流レ、何レカ一方ニ偏倚スルノ時トス、但嚴確ナレバ、家内和セザルモ吉ナリ、放縦ナレバ、強制セザレバ大ニ凶ナリトス、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)家庭の規律が厳格に過ぎるか、逆に放縦に流れて、家風が一方に偏(かたよ)る時である。厳格に過ぎれば家族は大変だが、結果的には家の中はよく治まる。放縦に流れれば家族は節度を失って、結果的に家の中は乱れて不幸になる。
○婦人や女子の愛に溺れる時でもある。慎むべきである。
○業務を人に任せてはならない。時に中ることで幸福を招き寄せる。
○家事や家政に関する事を勉強する時である。
○肉親(家族)の関係が恩情よりも厳格に過ぎて後悔する時である。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の原文の一部。
(占例)縉紳某來リテ、氣運ヲ占ハンコトヲ請フ、乃チ筮シテ、家人ノ第三爻ヲ得タリ、
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の現代語訳。
(占例)ある紳士がやって来て、氣運を占ってほしいと頼まれたので筮したところ、家人の三爻を得た。
 易斷は次のような判断であった。
 家人は多くの人と交際するに中り、家族のように親しく付き合うべき時である。人間社会は人間の情によって成り立っている。
 今回占って三爻が出た。老婆が家長として家事を任され、少年が家事ができないことを苦々しく思って、厳しく、しかも丁寧に教え導いたところ、少年も家事を覚えて、家風が調ってきた。このことを「家(か)人(じん)嗃(かく)嗃(かく)たり。悔い厲(あやう)けれども吉。剛毅に過ぎる家(か)長(ちよう)。家人は「ひいひい」苦しむ。家長自身、厳し過ぎたと後悔するが、厳しくした方が家は治まる」と云う。少年が家事ができないことを放置し、厳しく教え導かなければ、家風は乱れて、人心が荒れ、国家は荒廃する。
 それゆえ、小象伝に「婦(ふ)子(し)嘻(き)嘻(き)たりとは、家(か)節(せつ)を失う也。家長が厳しさを失い寛大に過ぎると、終には節度を失い、家の道に反することになる」と云う。
 今、貴方は、職務を遂行するに中って、厳しく、丁寧に部下に職場の規律を教え導くべきである。部下を甘やかして、厳しく接することを怠れば、部下の規律は乱れて、人心が荒れ、組織運営に問題が生じて、貴方は責任を問われると易断した。
 このことを「婦(ふ)子(し)嘻(き)嘻(き)たりとは、家(か)節(せつ)を失う也」と云う。
 それゆえ、職務に厳しく臨むべきである。
(今回も、易占の結果は書いていない。)

モバイルバージョンを終了