初六 ｜・｜ ・｜・
之卦 三八火澤睽
初六。濡其尾。吝。
○初六。其(その)尾(お)を濡らす。吝(りん)。
柔弱不正（陰爻陽位）の初六は未完成の時の始めに居る才能乏しい小人である。応じる関係に在る九四の大臣（側近）を恃(たの)んで妄(みだ)りに進もうとすが、今は未完成の時である。まるで子(こ)狐(ぎつね)が無謀に大川を渡ろうとしたが、途中で力尽きて尻尾を濡らし、諦めて引き返してくるように挫折するのである。まことに恥ずかしいことである。
象曰、濡其尾、亦不知極也。
○象に曰く、其尾を濡らすとは、亦(また)、極(きよく)を知らざる也。
小象伝は次のように言っている。初六が子狐のように大川を渡ろうとして挫折するのは、自分の能力も顧みずに猛進すれば、最後はどうなるかを知らないからである。
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