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易経(周易)を読み解く 百六四(艮為山 全体)

五二 艮(ごん)爲(い)山(さん) ―‥‥艮山 ―‥‥艮山
互卦 四十雷水解  綜卦 五一震爲雷  錯卦 五八兌爲澤

艮、其背不獲其身。行其庭不見其人。无咎。
○其(その)背(せ)に艮(とど)まり、其(その)身(み)を獲(え)ず。其(その)庭(にわ)に行き、其(その)人(ひと)を見ず。咎(とが)无(な)し。
 艮の道は、止まって動かない。それは、般若心経の「照(しよう)見(けん)五(ご)蘊(うん)皆(かい)空(くう)」の境地であり、「五(ご)蘊(うん)(色(しき)受(じゆう)想(そう)行(ぎよう)識(しき))皆(かい)空(くう)」と「照(しよう)見(けん)」する境地に至ることである。「色(しき)受(じゆう)想(そう)行(ぎよう)識(しき)は皆(かい)空(くう)」ゆえ「眼(げん)耳(に)鼻(び)舌(ぜつ)身(しん)意(い)は無」である。すなわち、あらゆる現象は究極的には空であるから、「眼(げん)耳(にー)鼻(びー)舌(ぜつ)」などの感覚器官は何も感じない(感じても心動かさない)のである。艮の卦德は「止まる」こと。艮為山の時は、「眼(げん)耳(にー)鼻(びー)舌(ぜつ)」という感覚器官のない背中に止まっているから、自我に囚われないのである。また自我に囚われないから、庭に行っても人を見ない、すなわち外界の如何なる刺激に対しても、煩悩妄想や欲望を抱かない。どのような境遇に置かれても動じることがない。あらゆる現象に惑わされない。このような境地に達すれば、咎という概念もなくなるのである。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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