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易経(周易)を読み解く 百五六(澤火革 初二三)

初九 ‥―― ―‥― (澤火革) 之卦 三一澤山咸

初九。鞏用黄牛之革。
○初九。鞏(かた)むるに黄(こう)牛(ぎゆう)の革(かわ)を用(もち)ふ。
 初九は剛健正位で変革を為し遂げる実力はあるが、今は卑(ひ)賤(せん)(最下の位)で、まだ時期も早く、引き上げてくれる応爻がない。動けば危険である。今は、柔順中正の六二(黄牛)に順って、革(かわ)のように固く自分を戒めるべきである。軽挙妄動してはならない。
(公田連太郎述「易経講座四」によると、この爻は、三分の二の領地を有していた周の文王が、暗君である殷(いん)の紂(ちゆう)王(おう)に柔順に仕えていた頃に例えられると云う。)
象曰、鞏用黄牛革、不可以有爲也。
○象に曰く、鞏(かた)むるに黄(こう)牛(ぎゆう)の革を用ふとは、以て爲す有る可からざる也。
 小象伝は次のように言っている。今は、柔順中正の六二(黄牛)に順って、革(かわ)のように固く自分を戒めるべきである。未(いま)だ変革を実行する時を得ていないので、今、動いても変革を為し遂げることはできないからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇心は一途だが、大変革の時に応ずるだけの智恵と実力を具えていない。上に居る六二(直属の上司)の命令に順うべきである。
○大変革の意義を理解できない。自分が見識が浅薄なことをよく弁えて、何事にも慎みの心で対処すべきである。
○大変革に中って、最下で卑しく地位もない。時は未だ到来しない。今の持ち場をしっかり守って手を出してはならない時である。
○大変革の初期の段階なので、うかつに動いてはならない。今はまだ、大事業は成し遂げられない時である。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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