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易経(周易)を読み解く 百四二(天風姤 四五上)

九四 ――― ――‥ (天風姤) 之卦 五七巽爲風

九四。包无魚。起凶。
○九四。包(つと)に魚(うお)无(な)し。起(た)てば凶。
 九四の大臣(側近)は本来悪しき小人初六と正応だが、姤は出逢うこと(と、出逢うことによる悪しき影響を排除すること)を重要視しているので、初六のすぐ近くにいる九二の君子がすでに初六を封じ込めて(悪しき影響を排除)しまった。それゆえ、九四の苞(つと)には魚(正応初六)はいないのである。九二の君子は初六の悪影響が他の君子(陽爻)に及ばないように封じ込めた(悪しき影響を排除した)のである。
 もし九四の大臣(側近)が真意を推(お)し量(はか)れずに、九二の君子と争えば禍(わざわい)を被(こうむ)ることになる。真意を推し量って、今の場所に安んじていれば禍を回避できる。
象曰、无魚之凶、遠民也。
○象に曰く、魚(うお)无(な)きの凶は、民(たみ)に遠ければ也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九四の大臣(側近)が九二の君子と争えば禍を被ることになる。大臣(側近)としての思慮に欠け、民の支持を得られないからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇幸福を招き寄せ、利益を得る道に長けている。役人なら、利益を得ようとする気持ちを抑え、部下や国民からの贈り物を決して受け取ってはならない。上司に対して、力を出し惜しんではならない。以上を守らなければ、想定外の災難を招き寄せる。
○人情を大切にしなければ、事をし損ずる時である。阿(おもね)り諂(へつら)う侫人を近付け、その言葉を取り入れてはならない。
○自分が愛する人を他人に奪われる時である。
○正当な理由があっても、急いで事を進めようとすれば争いとなる。正しくとも訴訟を起こせば凶運を招き寄せる。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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