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易経(周易)を読み解く 百四一(天風姤 初二三)

初六 ――― ――‥ (天風姤) 之卦 一乾爲天

初六。繋于金柅。貞吉。有攸往、見凶。羸豕孚蹢蠋。
○初六。金(きん)柅(じ)に繋(つな)ぐ。貞(てい)にして吉。往(ゆ)く攸(ところ)有れば凶を見る。羸(るい)豕(し)孚(まこと)に蹢(てき)蠋(ちよく)たり。
 陰柔不正(陰爻陽位・一陰五陽)の初六は微(び)賤(せん)な位で、君子を誑(たぶら)かす悪しき小人(魅力的な女性に化身した邪心の塊(かたまり)。一見微力に見えるが徐々に君子に浸透して邪心を蔓延(はびこ)らせる)である。それゆえ、金属製の車の止め木に繋いでおくがよい。
 この悪しき小人を止め木に繋いで正しく教え導けば邪心を正して社会は治まり幸福を招き寄せる。止め木に繋がず自由な行動を許せば、君子が誑(たぶら)かされて社会は乱れ、不幸を招き寄せる。初六は騒がしい豚のように飛び跳ねて、君子を誑(たぶら)かそうと企(たくら)んでいる悪しき小人(魅力的な女性に化身した邪心の塊(かたまり)。一見微力に見えるが徐々に君子に浸透して邪心を蔓延(はびこ)らせる)なので警戒することが肝要である。
象曰、繋于金柅、柔道牽也。
○象に曰く、金(きん)柅(じ)に繋(つな)ぐは、柔(じゆうの)道(みち)牽(ひ)けば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。悪しき小人(魅力的な女性に化身した邪心の塊(かたまり)。一見微力に見えるが徐々に君子に浸透して邪心を蔓延(はびこ)らせる)初六は金属製の車の止め木に繋いでおくがよい。小人の勢いが盛んになり邪心が蔓延(はびこ)るのを未然に防ぐのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇自分の能力が足りないことを棚に上げて、わたしは、幸せになれる、幸せになれると願っている侫人である。強く願いを叶えようとして、善人や君子を誑(たぶら)かそうとする。この侫人に誑かされた人は、あっという間に災難を招き寄せる。
○油断すればあっという間に災難を招き寄せる。何事も恐れ慎む心を抱いて、自分の分を守り、事を為そうとは思ってはならない。
○今の時勢と時流とをよく考えて、正しい心で対処すれば、災い転じて福と成すことができる。
○侫人がスッと入り込んでくる。
○陽が争わずに和順して対応すれば、幸運を招き寄せることもできる。
○女性の力を取り入れれば、成功する。 ○巧みな陰謀で、上の人々を誑(たぶら)かそうとする。
○陰がスッと入り込んでくる。陰が静かで正しくあれば幸を招くが、陰が動いて不正ならば、とんでもない災難を招き寄せる。
○小人を戒めて、君子を誑かさないように教え導くことが必要だが、小人を教え導くことができなければ、君子に災難が降りかかることは避けられない。君子はその事を常に頭に入れておき、災難が降りかからないように具えるべきである。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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