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易経(周易)を読み解く 百三九(澤天夬 四五上)

九四 ‥―― ――― (沢天夬) 之卦 五水天需

九四。臀无膚。其行次且。牽羊悔亡。聞言不信。
○九四。臀(とん)に膚(ふ)无(な)し。其(そ)の行くこと次(し)且(しよ)たり。羊を牽(ひ)けば悔(くい)亡ぶ。言(げん)を聞きて信ぜず。
 不中正(陽爻陰位)の大臣(側近)九四は、お尻の肉が薄い(どっしりと構えていることができない)ので今の地位に安んずることができない。下から衆陽(三陽爻の君子)が権力を有する佞人上六を除去しようと迫ってくるが、一緒に前進しようとしない。
 大臣(側近)という要職に在りながら情けない。聖人から「佞人上六を除去すべく前進すれば、悔はないぞ」と戒められが、その聖人の言葉を信用することができない。だから止まるでもなく進むのでもなく、右往左往するのである。
象曰、其行次且、位不當也。聞言不信、聰不明也。
○象に曰く、其の行くこと次(し)且(しよ)たりとは、位(くらい)、當(あた)らざる也。言(げん)を聞きて信ぜずとは、聰くこと明かならざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。不中正(陽爻陰位)の大臣(側近)九四は、下から衆陽(三陽爻の君子)が迫ってきても一緒に前進しようとしない。
 大臣(側近)の位に相応しくない小心者で志氣軟弱である。その上、聖人の言葉を聞いても信用することができない。小心者で志氣軟弱なので是非善悪を弁別することもできない。だから聖人の言葉が理解できないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇優柔不断な人物。正しい心を失わず、時に随って進退すべきである。心の不安を抱える時。心を落ち着かせて事に臨んで、何事にも狼(ろう)狽(ばい)してはならない。先生に指導してもらうがよい。
○健全な喜びに出逢う。だが、それに甘えてしまう心配がある。大事を決することはできない。厳しく事に対処することもできない。人のアドバイスを用いれば幸運を招き寄せる。
○大事なことを決断するのに心の中が定まっていない。出所進退の決断ができずに、窮する時。
○色々なことを教えてくれる人が居るが、その人を信用できないので、心の中が定まらない。いつも動揺している。
○人の話を信用すれば、凶運転じて吉運を招き寄せる時。何事も人のアドバイスに順えば、後悔することはない。
○陽の性質で陰の位に居るから、安定しない。
○勤勉であるべきなのに、怠惰に流れる。 ○お尻の痛くなる病(痔)に罹る。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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