サイトアイコン わかりやすい易経・易占講座

明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

【占例】ある銀行の経営状況を占う
明治十九年初夏のある日、司法官のある人が来訪された。お茶を飲みながら世間話をしていると、次のような話をされた。「ぼくはかつて地方に勤務していた時、ある地方銀行が大変栄えており、知名度も高かった。ぼくは泰然自若としているある人に頼まれて、その銀行の株を購入して今も保有している。ところが、その銀行の経営状況が思わしくないという話を耳にして、もしその銀行の経営が破綻するようなことになれば、ぼくの財政事情は大変影響を受ける。一体経営状態はどうなっているのだろう。そこで、君にその銀行の経営状態を占ってほしい」。そこで筮したところ水雷屯九五☵☳・之卦地雷復☷☳が出たのである。

水雷屯九五の小象伝に「其の膏(めぐみ)を屯(とどこお)らすとは、施(ほどこ)すこと未(いま)だ光(おおい)ならざる也」とある。占断して言えば、屯は屯難甚だしい時なので九五は天下を治める君位に就いているけれども民衆に恩澤を施すことができない。以上をその銀行に当て嵌めると財政状態が困窮しており株主へ配当を支払うことができない形となる。けれども水雷屯の卦辞・彖辞には「元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よろ)し」とあり、大象伝には「君子以(もつ)て経(けい)綸(りん)す」とある。それゆえ、今は財政状態が困窮しているが、遂にはそれを乗り越え再生して財政状態は健全化する時が来るであろう。それが何時になるかを推察すると、屯の二爻の小象伝に「十年にして乃ち字(あざな)すとは、常に反(かえ)る也」とある。

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