サイトアイコン わかりやすい易経・易占講座

明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

【占例】獄中に在った日に自分自身の運勢を占った
その昔文王は羑(ゆう)里(り)に幽閉されて周易に文章を加え(卦辞・彖辞を書き)、司馬遷は牢獄に繋がれて史記を著したけれども、わたしは市井の一商人なので、そのような知識は全くなく、獄中に在って易を学ぶことができたのも、敢へて文王の偉業に見習ったのではない。安政六年己(つちのとの)未(ひつじ)のある月に若さと無鉄砲さのために妄進して罪を犯して牢獄に繋がれることになったのである。
けれども、天からの恵みであろうか、文王に見出されたのであろうか、偶然に周易の書物を牢獄の中で見付けたのである。思うに牢獄を出た囚人が置いていったのか、忘れて置きっぱなしにしたのであろう。牢獄の中で特にすることもなく、外から依頼される神社仏閣の補修作業もなかったので、周易の書物を繰り返し繰り返し熟読したのである。最初は難しくて字を読むのが精一杯だった。だから周易の魅力を知ることができず、子どもが初めて先生から教わって本を読むように有り難く周易を読んだ。

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