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明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

上六、龍野于戰、其血玄黄。
○上(じよう)六(りく)、龍(りゆう)野(や)に戰(たたか)う。其(そ)の血玄(げん)黄(おう)なり。
象曰、龍野于戰、其道窮也。
○象に曰く、龍野に戰うは、其の道窮まれば也。

この爻は初爻から進んできて陰の勢いが盛んの極みに達する。それゆえ、盛んなことを恃んで陽に下らない。終に相戦って共に傷つく。このことを「龍(りゆう)野(や)に戰(たたか)う。其(そ)の血玄(げん)黄(おう)なり」と言う。人によっては始めに子弟の教育を誤って、遂には不善人を養成してしまった結果である。それゆえ、人々は自分を利することだけを知って、他を利することを知らないのである。
このような状況は一方では貧乏人が飢餓に叫ぶこともあれば、一方では大金持ちは贅沢を極めている。役人は権力を弄(もてあそ)んで私利を貪(むさぼ)り、野蛮人は詐欺まがいの悪事を行う。国民の不満は政府に伝わらず、政府の悪政により国民の不満は更に高まる。遂には国民と政府が衝突して憎悪が高まり戦いとなる。戦いは流血に及び勢いが窮まってようやく戦いを止める。それゆえ、小象伝に「龍野に戰うは、其の道窮まれば也」と言っている。またこの卦爻は山地剝の上爻が剝落した形であり、大衆が集まって君子を剝落しようとして、君子も傷つくが大衆も傷ついて災難を免れることはできない卦とする。

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