サイトアイコン わかりやすい易経・易占講座

明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

【占】貴方が大きな才徳を具えていても、今はその才徳を用いる時ではない。それゆえ隠れ潜んで時運が至るのを待つべきである。

【占例】一度の占いで二つの事柄の成否を判定する
わたしが一日横浜の馬車街に居た時、ある馬車が向こうからやって来た。近づいて来たその馬車を見ると、毎日部下が恭しく命令を承っている高官で世に名の知れた方である。さっそく帽子を脱ぎ敬意を表して一礼した。そのお方は何か大事な話があるので、政治家など要人が贔屓にしている富貴樓に来てほしいと言う。わたしは行くことを約束してからひとたび帰宅して富貴樓に(船に乗って)向かおうと(横浜港に行こうと)した。(港に到着すると)この日はちょうど飛脚船が出帆する日で、日頃懇意にしている人が沢山来ており騒々しくせわしなかった。
その中に長崎のある商人が居た。わたしが嘗て事業用資金を貸した人である。今回は急用で長崎に帰航するという。けれども、その人が長崎から船に載せてきた貨物が未だ売れていないのですでに期日が過ぎたわたしが貸したお金を返済していない。そこで、貸付証書とその人が船に載せてきた貨物とを為替にしてから出航すべきだとわたしはその人と交渉を始めたのである。

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