春夏秋冬の四象(四時)は循環し続けて全く休むことがない。それゆえ、天地(陰陽)の気は絶妙に美しく交わって遍く万物を産み続ける(万物が宇宙空間に行き渡る)。まるで男女が交わって次々と子孫が生まれ人口が増えていくのと同じ原理である。以上のことを「雲行き雨施して、品物形を流く/大地の水が蒸発し天に升って雲となり。雲が集まれば雨となって天から大地に降っていく。雨はあらゆる物を養いあらゆる物はそれらしく(天命に則って)成長して天に命じられた役割を果たす」と言うのである。 前に取り上げた「萬物資りて始む/萬物が産み出されるのは乾元(乾☰の大元)の太極のパワーによって始まる」とは、あらゆる物事は陽の氣から始まることについて説いている。今取り上げた「品物形を流く/あらゆる物はそれらしく成長して天に命じられた役割を果たす」とは、坤元(☷の大元・陰の気)の働きによって万物が産まれ出ることを説いている。あらゆる物事は乾元(陽の気)と坤元(陰の気)が相交わって始まり役割を果たしてきた。始めがあれば終わりがないことはないという原理から、物事が始まれば必ず終わりがある。これを生々之易(あらゆる物事は生成発展して変化する)と言うのである。 この生々発展して変化する時の始めと終わりを正しく明らかにして、微塵も誤らない。明らかに天道の始めと終わりを見るのであるから、是を「大いに終始を明らかにし」と言う。天道の始めと終わりを人に当て嵌めれば死生である。
白倉信司. 明治十九年出版 高島易斷 卷第一 現代語訳 (pp.28-29). Kindle 版.
