四十七.澤水困 ☱ ☵ 命がけで大困難を乗り越える時
□困(こん)は亨(とお)る。貞(てい)。大人は吉。咎(とが)无(な)し。言ふ有れども信ぜられず。
困難の真っ直中、命がけで行動せよ。泰然と自得して正しい道を守れば吉運を招き寄せる。
◎象に曰く、澤(さわ)に水无(な)きは困なり。君子以て命(めい)を致(いた)し志を遂(と)ぐ。
☆水が澤から溢れて下に漏れ澤が枯渇する。困難が窮まり苦労するが命がけで対応すべし。
○初六。臀(とん)、株(ちゆ)木(ぼん)に困(くる)しむ。幽(ゆう)谷(こく)に入(はい)る。三歳、覿(み)ず。
☆困難に遭遇して安心して生活や仕事ができない。誰も助けてくれないので途方に暮れる。
○九二。酒(しゆ)食(しよく)に困(くる)しむ。朱(しゆ)紱(ふつ)方(まさ)に來(きた)らんとす。用(もつ)て亨(きよう)祀(し)するに利(よろ)し。往くは凶。咎无し。
☆困窮の中で泰然と構え、よく忍耐すれば、やがては困窮を脱出するチャンスが到来する。
○六三。石に困(くる)しみ、蒺(しつ)藜(れい)に據(よ)る。其(その)宮(きゆう)に入(はい)り、其(その)妻を見ず。凶。
☆針の筵(むしろ)に坐っているように進退窮まる。誰からも相手にされずに八方塞がりの凶運の時。
易経は本当に面白い。しかし、「易経は難しい」という印象で読まない人が多い。
そこで、毎日持ち歩いていつでも読める易経入門書を書くことにした。易経の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。陰陽の概念を根幹に生み出された八卦が重なって出来た六十四卦の物語(宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が易経の本質であり魅力である。
本書は「これ以上簡単にできない易経入門」の現代語訳を大幅に見直し、誰もが易経(易占い)を好きになるように工夫して書いた。一人でも多くの人に読んでほしい。
日本の教え研究家 白倉信司

