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これ以上わかりやすくできない易経入門の解説(一部掲載)29&30

二十九.坎為水 ☵ ☵ 六十四卦中最も辛く困難な時

□習(しゆう)坎(かん)は孚(まこと)有り。維(こ)れ心(こころ)亨(とお)る。行(ゆ)きて尚(たつと)ばるる有り。
 険(けん)阻(そ)艱(かん)難(なん)が重なった六十四卦中最も困難な時。天命を全うすべく真心で真っ直ぐに進め。
◎象に曰く、水洊(しき)りに至るは習坎也。君子以て德行を常にし、教事を習(かさ)ぬ。 ☆湧き水が川となり大海に至るように、人徳を修養して己を磨き、人から尊崇されて天命を全うせよ。
○初六。習(しゆう)坎(かん)、坎(かん)窞(たん)に入(はい)る。凶。 ☆井戸の中の落とし穴に陥って身動きがとれない。最悪の状態に陥って気力も萎えてしまい、立ち上がることもできない。
○九二。坎(かん)に險(けん)有り。求(もと)め小(すこ)しく得(う)。
 ☆険阻艱難が重なる中で才能を発揮することはできないが、気力を取り戻して立ち上がる。
○六三。來(きた)るも之(ゆ)くも坎(かん)坎(かん)たり。險にして且(か)つ枕(まくら)す。坎(かん)窞(たん)に入(はい)る。用(もち)ふる勿(なか)れ。
 ☆事に行き詰まって進退ままならない。絶望感に塞がれるが、命をかけて気力を振り絞る。

三十.離為火 ☲ ☲ 古(いにしえ)の成功から今の失敗に至る時

□離は貞(ただ)しきに利し。亨(とお)る。牝(ひん)牛(ぎゆう)を畜(たくわ)えば吉。
 天地人の道の正しきに麗(つ)きて、明智・明德を用いて世を治めれば吉運を招き寄せる。
◎象に曰く、明(めい)兩(ふた)たび作(おこ)るは離なり。大(たい)人(じん)以て明を繼(つ)ぎて四(し)方(ほう)を照らす。
 先代から現世・現世から後世へと明智に明智を明德に明德を継いで文明を継承する。
 ※下卦を先代の御代(過去の成功した歴史)、上卦を現世或いは後世の御代と見做している。
 ☆日に新たに太陽が昇る。先代の明智・明徳を継承し賢臣と意を合わせて社会を統治する。
○初九。履(ふ)むこと錯(さく)然(ぜん)たり。之(これ)を敬(けい)すれば咎(とが)无(な)し。
 ☆進むことを控えて慎重に行動する。上司(六二)を敬い慎んで仕えれば過失は犯さない。
○六二。黄(こう)離(り)なり。元(げん)吉(きつ)。
 ☆天から授かった運命が盛ん(盛運)な時。文明の華を開花させる。大いに吉運を招く。
○九三。日(ひ)昃(かたむ)くの離なり。缶(ほとぎ)を鼓(こ)して歌わざれば、則(すなわ)ち大(だい)耋(てつ)を之(こ)れ嗟(なげ)く。凶。
 ☆歌を唱い余生を楽しめば心安らかである。余命が短いことを嘆き悲しめば心は乱れる。

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