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易経(周易)を読み解く 百八(天山遯 初二三)

初六 ――― ―‥‥(天山遯)之卦 十三天火同人

初六。遯尾。厲。勿用有攸往。
○初六。遯(のが)るるの尾(しりえ)なり。厲(あやう)し。往(ゆ)く攸(ところ)有るに用(もち)ふる勿(なか)れ。
 初六は陰柔不中正(陰爻陽位)。遯は遁(のが)れ退(しりぞ)く道を説いているのだが、初六は最後尾に居るので、逃げ遅れて置き去りにされた。実に危うい状況である。
 ところが、初六は位(くらい)賤(いや)しく能力乏しいので、誰も見向いてくれない。こうなったら、今さらバタバタと遁れ去るよりも、じっと隠れて動かないほうがよい。
象曰、遯尾之厲、不往何災也。
○象に曰く、遯(とん)尾(び)の厲(あやう)きは、往(ゆ)かずんば何の災(わざわい)あらん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。初六は遁れ退く時の最後尾に居るので、逃げ遅れて置き去りにされた。実に危うい状況だが、誰も見向いてくれない。
 このような状況に置かれて、どうして災(わざわい)いを招き寄せることがあろうか。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇出自が卑しいので、上位の人を始め誰からも相手にされない。少しでも早く、自分の衰運を悟り、無事でいることが何よりも大切だと考えて、災難から免れることを優先すべきである。
○戦場(戦いの場)にあっては、一刻も早く退去すべきである。功を上げようとして退去するタイミングが遅れれば大敗する。
○今の場所から退去して、他人から支援してもらう時である。
○一歩たりとも動いてはならない。静かに時を待っていれば、災難を免れることができる。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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