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易経(周易)を読み解く 九七(坎為水 初二三)

初六 ‥―‥ ‥―‥ (坎為水) 之卦 六十水澤節

初六。習坎、入于坎窞。凶。
○初六。習(しゆう)坎(かん)、坎(かん)窞(たん)に入(はい)る。凶。
 初六は柔弱不中正で習坎の最(さい)下(か)に居(お)り、六四の支援もなく孤立無援である。ある時、ふと気付くと落とし穴の中の落とし穴に陥(おちい)ってしまった。全く身動きが取れない。どうしたらよいのか皆目見当も付かない。これまで生きてきた中で最悪の状態に陥ってしまったのである。
象曰、習坎、入坎、失道凶也。
○象に曰く、習(しゆう)坎(かん)、坎(かん)窞(たん)に入(はい)ると、道を失いて凶なる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。柔弱不中正の初六はこれまで生きてきた中で最悪の状態に陥ってしまった。いつの間にか至(し)誠(せい)の心で果(か)敢(かん)に行動する「君子の道(仁德により天下泰平を実現する道)」から外れてしまったので、災難を招き寄せたのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇独り立ちして、事を為そうとしてはならない。常に心配ごとや苦しいことを抱えているが、堪え忍んで、人から信用される人間になれば、心配ごとや苦しみから免れる。従来の方向を軌道修正し、過ちを反省し、善き方向に進み、困窮から脱する方法を模索すべきである。水泳を習おうとして、水に溺れる。何事も慎むべきである。
○己を修めて人を治める。小善を毎日積み重ねて習慣にすれば、安定した人格と品性を養える。
○心が定まらない時。
○井戸の中に陥ってどうにもならない。あらゆることが思ったとおりにならない。
○愚(ぐ)昧(まい)(おろか)な時。
○不善を行なっている(行い始めた)のに、改めることができない。
○何をやっても幸せになれずに、心配ごとが積み上がっていく。
○善からぬものが潜んでいる時。

以下省略。次の書籍をご覧ください。

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