「かみ」のやしろの建立
諏訪湖まで「みな」の神を追いかけて行って、楽園を譲ることを承諾させた「みか」の神は「おおくに」の神の所に戻ってきて、「みな」の神との顛末を説明し、「おおくに」の神に楽園を「ほのみみ」の神に譲ることを承諾させようとした。
すると「おおくに」の神は、「わかりました。喜んで『ほのみみ』の神に楽園をお譲りしましょう。ただ、一つだけお願いがあります。楽園をお譲りした後、わたしは引退して姿を隠したいと思っておりますが、わたしの御霊をお祀りするための立派な『かみ』のやしろを建立して頂きたいと思います」と言った。
「おおくに」の神のお願いを了解した「みか」の神は、自然を司る神々の中から大工の神を呼び寄せて、立派な「かみ」のやしろを建立させた。「おおくに」の神は大変喜んで「かみ」のやしろにお隠れになったのである。
さて、今回は「おおくに」の神から、楽園を譲り受けることができたが、これから先、「かみ」のやしろにお祀りされた「おおくに」の神が甦ってきて、楽園を創り上げたのは自分だから、自分には楽園を統治する資格があると主張しないとも限らない。そこで、「みか」の神は「かみ」のやしろに次のような仕掛けを施した。以下省略。